研究課題/領域番号 |
21K12754
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
村上 雅一 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (40825361)
|
研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
大西 峻 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10614638)
倉島 庸 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (40374350)
加治 建 久留米大学, 医学部, 教授 (50315420)
山田 耕嗣 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80528042)
パウデル サシーム 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80811489)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 小児内視鏡外科手術 / 疾患特異的シミュレータ / シミュレータトレーニング / テレシミュレーション教育 / LPEC / Global Surgery |
研究実績の概要 |
株式会社京都科学と連携し、10kgの幼児の骨盤部および体幹部をモデルとした内視鏡外科手術シミュレータを開発した。本シミュレータは内部に人工臓器を設置することで、骨盤部の高難度小児内視鏡外科手術のトレーニングが可能であるだけでなく、本研究の主体となるLPEC手術については海外でも繰り返しトレーニングが可能なように、安価な材料でシミュレーション手術を可能とした。 シミュレータのValidationのため、シミュレーション手術の成績や3Dトラッカーを使用したLPEC針および鉗子の軌跡などの操作特性を、LPEC執刀経験に応じて比較検討中である。LPEC初心者と上級者で成績等に有意に差が出ており、Validationの結果は英文誌で報告予定である。 Global Surgeryとして小児内視鏡外科手術導入支援を行っているネパールにおいて、2023年3月に現地小児外科学会総会に参加し、学会公認のLPECワークショップを実施した。本シミュレータを使用してトレーニングを行い、実臨床でのLPEC手術の指導まで行った。シミュレータ2台を現地に貸与し、今後はZOOMを使用したテレシミュレーション教育を行う予定である。 今回のネパールでの支援は、その後の術式の変化(開腹手術から内視鏡外科手術への変遷)までをフォローし、英文誌にGlobal Surgery領域での論文として報告し、この分野での日本のプレゼンスを示す予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の蔓延でシミュレータ開発や海外渡航がままならず、一時進捗がやや遅れていたが、情勢の改善に伴い、海外でのシミュレーション教育が可能となっている。最終年である今年度にシミュレータのValidation および海外へのテレシミュレーション教育を実施予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
LPEC疾患特異的シミュレータとしてのValidationを行う。Validationではエキスパートとビギナーのトレーニング成績について比較検討し術者の技量とシミュレーション手術データとに相関が見られるか検証する。次にビギナーを対象に、シミュレータを用いたトレーニングを繰り返すことで、シミュレーション手術データの向上が認められるかを検証。そして修練外科医がシミュレータを用いてトレーニングで、実際の手術を安全に施行可能か検証する。これらと並行してネパールの小児外科医へのテレシミュレーション教育を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19情勢に伴い、オンライン発表となった学会の渡航費がかからず、予算に繰り越しが生じた。繰り越した予算に関しては、シミュレータの消耗品等の追加購入に今後当てる予定である。
|