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2023 年度 実施状況報告書

高度架橋ポリエチレン製人工股関節の超長期耐用性の実現を目指した材料設計の至適化

研究課題

研究課題/領域番号 21K12758
研究機関東京医科大学

研究代表者

立岩 俊之  東京医科大学, 医学部, 准教授 (00424630)

研究分担者 高橋 康仁  東京医科大学, 医学部, 助教 (60567668)
宍戸 孝明  東京医科大学, 医学部, 教授 (70266500)
正岡 利紀  東京医科大学, 医学部, 准教授 (70256270)
山本 謙吾  東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10246316)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード人工股関節 / 超高分子量ポリエチレン / 寛骨臼ライナー / 衝撃疲労試験
研究実績の概要

本研究は、人工股関節全置換術(THA)用インプラントである高度架橋超高分子量ポリエチレン(XLPE)寛骨臼ライナーを対象に、抗酸化・耐摩耗・耐疲労の3つの視点から物理化学的耐久試験を実施し、これらの知見を統合することによって、XLPEライナーにおけるミクロ構造からマクロデザインまでを定量的に至適化することを目指すものである。
2023年度は、電気式リニア・トーション試験機を用いた大腿骨ステムネックとXLPEライナー間の衝撃疲労試験を実施した。本試験では、ライナー辺縁部への最大荷重時にネックが10度回旋し、93 lbf・inのトルクが発生するよう実験配置を調整することで、摩耗を伴う疲労を機械的に再現した。試験サイクル数は、最大10万サイクルとし、ライナー辺縁部に肉学的な亀裂進展を認めた場合、その時点で試験を停止し、破損サイクル数を記録した。使用したライナーの厚みは、2.45, 3.45, 4.45, 6.45mmで、内径は36mmであった。
衝撃疲労試験の結果、放射線架橋量が増大するほど耐疲労性の低下傾向が見られたが、抗酸化剤であるビタミンE(dl-α-tocopherol)を0.3 wt.%混合することで耐疲労性が向上する様子を確認した。またXLPEライナーの厚みが減少するほど、ネック衝突に伴う損傷度およびミクロ構造の変化が有大きくなる傾向が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

製造条件や厚みの異なるUHMWPE寛骨臼ライナー(n=各3個)のネック衝突疲労試験およびその後の分光解析が終了しているが、研究期間を1年延長することで、現在は標本サイズを増やした再実験を行っている。おおむね順調に進捗していることから、次年度で本研究を終了できる見通しである。

今後の研究の推進方策

今年度、再現性および仮説検定の信頼性向上を目的として、ネック衝突疲労試験の追加標本による再実験を継続して実施する。さらに、これまでの摩耗試験、強制酸化試験、ネック衝突試験の結果を統合することで、さらなる長期耐用性の延伸に向けた製造因子やライナーデザインの至適な条件提案を目指す。

次年度使用額が生じた理由

本研究目的をより精緻に達成するための再実験を行うため、研究期間を1年間延長し、研究費の一部を繰り越すことにした。次年度の使用計画として、各種計測機器の保守点検費用または計測に必要な物品購入のための費用に充当する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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