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2021 年度 実施状況報告書

糖尿病黄斑浮腫に対する閾値下レーザー治療のモニタリングマーカー確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K12762
研究機関北陸大学

研究代表者

周尾 卓也  北陸大学, 医療保健学部, 准教授 (90399006)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード糖尿病黄斑浮腫 / 閾値下レーザー治療 / 網膜色素上皮 / 治療モニタリングマーカー / 質量分析
研究実績の概要

本研究では,糖尿病黄斑浮腫の治療有効性をモニタリングできる分子マーカーとして,閾値下レーザーの標的分子と同調する細胞外液性因子を選別し,医用質量分析の多重反応モニタリング法に適用可能な候補を提案する.
まず,高分解能精密質量分析装置を利用して,ヒト網膜色素上皮のセクレトームをメタボロミクス法とプロテオミクス法によって探究している.
ヒトiPS分化細胞を,透過膜に集密的に播種し,無血清培地中で40日間以上培養することで,敷石状で黒褐色の網膜色素上皮シートを調製した.つぎに,臨床での高血糖値を想定したグルコース濃度の培地中で30日間以上培養することで,糖尿病モデル網膜色素上皮を調製した.自作した実験系で,培養状態の網膜色素上皮に対して垂直方向にレーザーを照射し,レーザー照射条件は,網膜色素上皮の培養ロットごとに,生細胞が発するCalcein蛍光シグナルの共焦点顕微観察,および細胞傷害性アデニル酸キナーゼの酵素活性から,最適化した.レーザー装置に追加した自動照射機能によって,光エネルギーを負荷することで,実験結果の再現性を確保した.閾値下レーザーの照射から12時間後まで,網膜色素上皮の培養上清液を,1時間毎に採取した.
培養上清中の代謝物を包括的に解析するために,高速液体クロマトグラフィーと連結した高分解能精密質量分析装置でメタボロミクス法を実行した.代謝物精密質量データベースから標的化合物の質量電荷比を整理し,ポジティブイオンとして測定する68化合物,およびネガティブイオンとして測定する28化合物に対して,質量分析に供する培養上清の前処理条件(除タンパクや希釈倍率)と液体クロマトグラフィー条件を決定した.メタボロミクス法で得られた経時的な多変量データを,主成分分析と階層的クラスター分析で分類した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自作のレーザー照射系において,レーザー照射装置に,臨床と同様な,自動でレーザーを指定箇所に照射できる機能を追加したことで,実験対象となる網膜色素上皮層へのレーザー照射部位を精緻化し,レーザー照射時間を短縮化した.これによって,レーザー照射後における網膜色素上皮層の反応が安定化し,実験の再現性を確保することにつながった.

今後の研究の推進方策

自作のレーザー照射系において,現状で手動である,試料移動用のXY座標メカニカルステージを自動化することで,レーザー照射部位を精緻化し,レーザー照射時間を短縮化する.
ヒト網膜色素上皮のセクレトームを,メタボロミクス法に加えて,プロテオミクス法で解析する準備を進める.

次年度使用額が生じた理由

研究計画における,全体の交付決定額に対して,当初に購入を希望していた商用代謝物精密質量データベースの代金による圧迫が予想され,初年度は,当該製品の購入を先送りし,再現性のあるレーザー照射実験系の構築に注力したため.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Assessing urine ammonium concentration by urine osmolal gap in chronic kidney disease2021

    • 著者名/発表者名
      Takuya Fujimaru, Takuya Shuo, Masahiko Nagahama, Fumika Taki, Masaaki Nakayama, Yasuhiro Komatsu
    • 雑誌名

      Nephrology

      巻: 26 ページ: 809-813

    • DOI

      10.1111/nep.13937

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 分娩時の医療介入による乳汁分泌量と母乳育児率および唾液オキシトシン値への影響2022

    • 著者名/発表者名
      髙畑香織, 宮内愛, 仲丸律子, 田所由利子, 周尾卓也, 堀内成子
    • 学会等名
      日本助産学会学術集会
  • [学会発表] 高度生殖補助医療 ART 後の妊娠における乳汁分泌量と母乳育児率2022

    • 著者名/発表者名
      髙畑香織, 宮内愛, 仲丸律子, 田所由利子, 周尾卓也, 堀内成子
    • 学会等名
      神奈川母性衛生学会学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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