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2021 年度 実施状況報告書

血液ポンプの溶血低減のための数値流体力学解析による形状最適化方法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K12769
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

西田 正浩  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (80357714)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード血液ポンプ / 数値流体力学解析 / 溶血特性 / パッシブスカラー / 輸送方程式 / 非定常解析
研究実績の概要

遠心血液ポンプの内部で発生した溶血量を数値流体力学解析により正確に推定するために、赤血球にかかるせん断応力とせん断時間から生じる溶血量をパッシブスカラーとした輸送方程式を解いてその空間分布を求め、遠心血液ポンプの出口における溶血量として定量化する方法について、非定常解法で解析するという新しい推定手法を提案した。本推定手法の妥当性を検証するために、インペラの形状のみに着目し、構成されるさまざまな形状の血液ポンプに対し、本手法により解析した。一方、さまざまな形状のインペラモデルを切削してさまざまな形状の遠心血液ポンプの実機を作製し、ウシと殺血を用いて溶血試験を実施して、得られる実験結果との相関をみた。また、各計算セルにおけるせん断時間を計算セルのサイズと流速から近似的に求め、同じ実験結果と各計算セルにおける溶血量の積分値として溶血量を定量化するという従来の方法による推定結果とも相関をみ、両者を比較した。その結果、新しく提案した推定手法から得られる溶血量との相関係数の方が、従来の推定手法から得られる溶血量との相関係数よりも大きいことが示された。すなわち、本手法の妥当性の検証が得られるのみならず、従来の溶血量の推定手法よりも正確である可能性が示唆された。これらの結果は、国際学会において口頭発表した。今後、遠心血液ポンプの形状最適化のプロセスが迅速に進められるように、本手法を実施する際の諸条件を検討し、本手法を確立する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究で何をどのように明らかにしようとするのかを具体的かつ明確にしてあり、また、準備期間において、その研究をある程度進めていたため、現状では順調に進展していると捉えられる。

今後の研究の推進方策

まず、昨年度得られた成果を論文などの明確な成果としてまとめ上げる。次に、本研究課題では、数値流体力学解析による2つの新しい溶血量の推定手法を提案することを目的としており、もう一つの推定手法についての検討に取りかかる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Hemolysis estimation of rotary blood pumps using transport equation method and transient CFD analysis2021

    • 著者名/発表者名
      Nishida M, Ogura H, Sakota D, Kosaka R, Maruyama O, Yamane T, Hyakutake T, Yamamoto Y, Kuwana K
    • 学会等名
      11th Asian-Pacific Conference on Biomechanics
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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