研究課題/領域番号 |
21K12772
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
片桐 匡弥 広島大学, 医系科学研究科(医), 専門研究員 (40793451)
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研究分担者 |
飯田 幸治 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (20304412)
亭島 淳 広島大学, 医系科学研究科(医), 専門研究員 (20397962) [辞退]
原田 宗子 名古屋大学, 情報学研究科, 特任講師 (30414022)
香川 幸太 広島大学, 病院(医), 助教 (40726981)
CHAN HUILING 広島大学, 脳・こころ・感性科学研究センター, 特任助教 (80867979)
音成 秀一郎 広島大学, 病院(医), 助教 (70847996)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 経皮的迷走神経刺激術 / 切迫性尿失禁 / てんかん / 脳結合性 / デフォルトモードネットワーク |
研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究としては、経皮的迷走神経刺激を行う場合の神経活動の処理中枢としての候補となり得る脳領域を検索するため、まず難治性てんかん患者に対して迷走神経刺激術(VNS)を行った患者を対象に、VNS前後での脳内活動の変化を探索した。広島大学病院でVNS前後に脳磁図を行なった患者で、てんかん焦点切除を行なっていない24例を対象とした。VNS前後の脳磁図データを2秒のセグメントに分割し、目視でアーチファクトやてんかん性放電が含まれない安静覚醒時のデータを10sets抽出した。得られたデータで電流源推定を行ない、デルタ、シータ、アルファ、ベータ、ガンマ、ハイガンマ帯域のPhase-locking value(PLV)を算出し、平均した。各脳領域間でVNS前後のPLVの変化をレスポンダー(50%以上発作減少群)と非レスポンダーに分けて比較・検討した。デルタ、シータ帯域で左右楔部、楔前部、後部帯状回、後頭葉内側、左前頭葉弁蓋部間の、アルファ帯域以上では、前頭側頭弁蓋部、嗅内皮質、後部帯状回での有意(p=0.005)な結合性の変化(主に増強)をレスポンダーで認めた。VNSレスポンダーの脳活動は低周波帯域でdefault mode networkに含まれる脳領域間結合性が増強した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス流行に伴い、経皮的迷走神経刺激用デバイスの輸入が滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
難治性てんかんに対して既に迷走神経刺激術を行っている患者を集め、刺激術前後の脳磁図データを解析することで、その脳結合性変化を調べることにより、切迫性尿失禁に関与する脳領域との関連性を検討する。経皮的迷走神経刺激装置が入手できしだい、これらの知見をもとに被験者を募り、実験を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行により、経皮的迷走神経刺激装置の入手ができなかったため
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