研究課題/領域番号 |
21K12777
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
黄 健 近畿大学, 工学部, 教授 (10282956)
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研究分担者 |
小谷内 範穗 近畿大学, 工学部, 教授 (50357034)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歩行リハビリテーション / 歩行訓練 / 歩行支援 |
研究実績の概要 |
脳卒中患者のリハビリテーションとしてトレッドミルによる歩行訓練を行うという手法は臨床的に広く用いられてきたが、現行の歩行訓練機器のほとんどは利用者下肢部に注目し、下肢部の反復強制運動を行うものである。一方、申請者らはこれまでに1自由度回転機構付きの胸部支持パッドを有する歩行車を試作し、歩行運動の特徴を定量的に評価した。利用者は提案の歩行車で歩行する際に、胸部支持パッドの回転により利用者腰部のスイングが自然に引き出され、ベルトを介して足が引っ張られることによって利用者の歩行意欲の向上を図りながら、歩行のリズム感をつかめやすいという特徴がある。そこで本研究は、これまでの研究成果を活かして、回転型胸部支持パッドを有するトレッドミル型歩行訓練機の開発を行い、その効果を評価することを目的とする。 本年度は研究計画の初年度であり、まずハードウェアの設計製作を含めたシステムの開発に取り組む。従来の研究成果を参考しながら、身長180cm、体重100kgまでの人が利用可能な回転型胸部支持パッドとその周辺支持機構を設計・試作したのち、市販品のトレッドミルに取り付けることによって回転型支持パッドを有するトレッドミル歩行訓練機器のハードウェアを製作した。また、歩行中利用者の運動情報を測定するため、支持パッドへの圧力を測る力センサと、歩行者下肢部の運動を測定するゴニオメータなどのセンサを用いており、これらのセンサ情報を集計するための計測系を構築した。本年度の研究内容に係わる研究発表については、学術講演会で2件の発表実績があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標は歩行訓練機器の設計開発と計測系の構築であるので、計画の通り市販品のトレッドミルを導入したのち、回転型支持パッドおよび周辺の支え機構の設計を行い、制作された部品をトレッドミルに取りつけたことによって歩行訓練システムハードウェアの製作を完了した。また、歩行訓練の際に歩行者の運動情報を測定するため、力センサ4個、ゴニオメーター4個、支持パッド回転センサ1個を用いており、これらのセンサ情報をコンピューターに入力するためのインターフェースを含む計測系の構築を行った。さらに、試作された歩行訓練機を用いて歩行実験を行うことでシステムの動作が設計のとおり確認されたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
R4年度では、これまでの研究をベースにして、歩行測定による歩行訓練機器の評価と駆動型支持パッドの製作を目標にしており、具体的な計画は以下に示す。 (1)歩行実験による装置の評価 設計製作したシステムの動作を確認するため、まず健常者の歩行計測を行う。歩行実験では、トレッドミルから走行距離、心拍数、消費カロリー、歩幅、速度などの情報が上がっており、さらに利用者下肢部に貼り付けるゴニオメータから膝関節と足首関節の回転角、および支持パッドの回転角と圧力などの複数のセンサ情報が同時に集計される。現時点に利用者は健常者に限定しており、歩行実験で得られたこれらの情報を解析することによって利用者上半身の回転と下肢部運動のそれぞれの特徴とこれらの情報の関連性を明らかにすることで、試作したシステムの性能を評価する。 (2)駆動型回転支持パッドの設計製作 初年度では1軸自由回転可能な胸部支持パッドをトレッドミルに取り付けることで新しい訓練機器を試作した。この機器は上半身を少しながら回転できるという利用者に適しているが、脳卒中や脊髄損傷などの病気で上半身の回転が困難な方に利用できない。そこで計画の2年目に駆動型回転胸部支持パッドを新たに設計し、製作を行う。
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