研究実績の概要 |
本研究では,自動車運転支援の臨床現場での取り組みを通じて、360度カメラ映像を活用したリモート実車評価システムの構築・整備とその精度検証を行う.さらに,撮影した映像を療法士の育成や患者教育に活用した場合の教育効果についても検証を行い,療法士,患者がともに利用できる運転評価・訓練に関する教育プラットフォームを開発・構築する. 2022年度は、リモート実車評価システムを試験的にパイロット的に自動車学校の教習車両に設置し、360°映像を収録した。また、HTC VIVEとTobii pro ラボを使用し、視聴者の360°動画内における視線挙動を追跡するためのプログラムの構築も筑波大学の伊藤誠教授と進めている。その取り組みの一部については、日本安全運転医療学会誌に成果として報告している。 2023年度以降の方向性としては、高齢者および脳卒中患者を対象とした実際の運転挙動を撮影し、360°動画を視聴した場合の酔い等の違和感への対応も併せて進めていく.さらに、療法士の育成に向けた教育効果の検証として、健常大学生を対象に、着目すべき視点等の助言や学習プログラム等で動画視聴時の視線動態に改善がみられるかについて検証する予定である。 併せて、データ集積とデータベース化,対象者へのフィードバックプログラムの効果検証として、リモート実車評価システムを構築し、脳卒中患者を対象に実車評価場面の収録・データベース化を進める.また,患者自身が運転している様子を360度カメラで撮影した映像を用いたフィードバック訓練による運転行動の変容や安全運転に関する意識の改善に対する効果の検証を進めていく予定である.
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