研究課題/領域番号 |
21K12797
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中島 翔太 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (20580963)
|
研究分担者 |
田中 幹也 明治大学, 理工学部, 専任教授 (80227131)
嶋田 総太郎 明治大学, 理工学部, 専任教授 (70440138)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 生体音センサシステム / ノイズリダクション / 定量的ストレス指標 |
研究実績の概要 |
生体音センサシステムを使用して血管音と呼吸音を測定する際,外部からのノイズによる影響により呼吸音が劣化し十分に計測できないことがあった.そこで,多チャネルウィナーフィルタや非負値行列因子分解といった信号処理によるノイズ除去手法を確立した.この手法を用いて評価試験を行い,呼吸音と血管音の生体音データを低劣化で検出できることを確認した.その結果,外部からノイズが侵入するような日常生活においても,常時生体計測が行える可能性が高まった.さらに,従来の生体音センサでは利用者の頭部の形状によって,センサ部と測定部位との接触が不十分なことがあり生体音が取得できない場合があった.そこで,様々な人に対して測定が行えるように,頭の形状にフィットする保持部の最適設計やノイズの入りにくいセンサ部の構成などハードウェアについても改良を行った. 高精度な定量的ストレス評価手法に関しては,複数の被験者にストレス課題を実施し,課題前後の各種生体情報についてポリグラフを用いて取得した.得られた生体情報から,従来の定量的ストレス指標であるLF/HFや自律神経活性を反映している生体情報を用いて評価を行うとともに,被験者にアンケートを行うことで,ストレスに関する客観的な生体情報と主観的な調査結果との関係性について検討を行った.また,ストレス軽減に効果のあるマインドフルネス瞑想の方法について複数の条件下でストレス評価を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の計画通り,提案した音声信号処理や生体音センサの改良がノイズ低減に有効であることを確認できた.さらに,次年度の正確なストレス評価指標の確立に向けた,従来の客観的ストレス評価や主観的ストレス評価,脳波情報の取得やマインドフルネス瞑想の評価を行うための環境整備が順調に進んでいる.
|
今後の研究の推進方策 |
ストレスと相関の強いパラメータを用いて,より正確な定量的ストレス評価法を確立する.また,マインドフルネス瞑想の前後および瞑想中の生理・脳活動指標および心理指標について,生体音センサ・ポリグラフ・脳波計・NIRS・質問紙調査を用いて計測することで,ストレスと生体情報に関する詳細な検討を行い,セルフメンタルヘルスケアに応用するための基礎的な知見を得る.
|
次年度使用額が生じた理由 |
生体音センサに関わる物品調達額が請求額を下回ったため.次年度使用額はセンサ開発ための物品購入に充てる.
|