研究課題/領域番号 |
21K12803
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
廣瀬 昇 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (60460391)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 臥位エルゴメーター運動 / 運動療法 / 慢性心不全 / 運動負荷 |
研究実績の概要 |
本研究は,臥位エルゴメーター運動機器による運動負荷量の違いについて,呼吸循環応答,筋活動量,自律神経活動および末梢血行動態などの身体的要因を網羅的に解析し,相互の関係性を見出すことである.また,その検証結果から,慢性心不全患者の臥位エルゴメーター運動機器(ポータブル)における生理機能および身体運動機能を考慮した効率的な運動プログラムを作成することである.本年度は,令和3年度で設定した運動肢位別によるエルゴメーター運動機器を利用した生理機能と身体運動機能の解析方法(呼吸循環応答,筋活動量,自律神経活動および末梢血行動態の変化)について,測定回数や対象を拡大し妥当性の検証を実施した.健常成人に対して,負荷量可変式エルゴメーター機器を用いた臥位および坐位姿勢による運動負荷試験を実施し,両対象の肢位による生理機能を比較検討した.同方法において,座位エルゴメーター運動に比べて,ATレベルでの臥位エルゴメーター運動の運動効果は末梢血流速度を増加させることで血流量を維持し,運動時の活動筋への血液供給が効率的に行われている現象の一端を確認することができ,臥位エルゴメーター運動中の心負荷を低下させる可能性についても示唆された.そのため,運動介入としてはATを基準とする運動強度で主効果が認められ,その他の実施状況についても,次年度も継続する予定である.これにより,最終的に慢性心不全患者の最適な運動介入の条件を整理した上で,運動介入時の身体的要因の動態を明らかにしたい.さらに,慢性心不全患者の運動介入の即時的効果を判定する基礎データを得ることを目指したい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,新型コロナウィルス感染症の影響で当初の計画から遅れていた測定や運動負荷量の妥当性について,実証することができた.具体的には運動肢位によるエルゴメーター運動機器を利用した生理機能の測定・解析方法(呼吸循環応答,筋活動量,自律神経活動および末梢血行動態の変化)が確立でき,負荷量可変式エルゴメーター機器を用いた臥位および坐位姿勢による運動負荷試験を実施した.その結果,臥位エルゴメーター運動の運動負荷量は,ATレベルで心負荷を低下させたまま両群間に同等の筋活動が維持することが可能となり,十分に運動効果が得られることが示唆された.しかし,慢性心不全患者への適応について検証が不十分であり,研究は計画よりもやや遅れていると評価した.次年度は,慢性心不全患者における臥位エルゴメーター運動機器による生理機能と運動介入の検証についても,まとめる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,慢性心不全患者に対する検証と具体的な介入方法を計画している.特に,運動負荷量の違いによる臥位エルゴメーター運動の生理機能解析の結果から,最も効果が高いと思われるATレベルを運動負荷量として設定できたため,慢性心不全患者への臥位エルゴメーター運動機器を利用した適正な運動処方となるプロトコールを検証する予定である.また,同運動の効果判定やその後の経過についても検証したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の影響で,当初に計画した測定回数が実施出来ていなかったため,慢性心不全患者への測定の検証が未だ不十分であった.そのため,次年度は,妥当性の検証と合わせて慢性心不全患者への臥位エルゴメーター運動機器による生理機能と運動介入の検証とその後の経過について検討する.
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