研究課題/領域番号 |
21K12806
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
城間 直司 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (90312826)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 視覚共有 / 画像安定化 / 全方位画像 / 状態推定 / 遠隔見守り |
研究実績の概要 |
本研究では、安心安全な行動や外出支援のための遠隔からの見守りの実現を目指す。見守られる人の見ている事柄を共有して共感できるために、お互いに負荷の少ない全方位の一人称視点による視覚共有手法の実現、見守られる人の状況を俯瞰的に可視化して直感的に把握する手法の実現、そして、見守られる人の状態の自動検知手法の実現が本研究の目的である。 令和4年度も令和3年度から引き続き、全方位画像を取得する複数カメラシステムの開発、全方位安定化画像による一人称視点による視覚共有手法の開発、見守られる人の自己位置姿勢推定手法の開発、見守られる人の全身の姿勢推定手法の開発を目指し研究を進めた。新たな複数カメラシステムのための新しいカメラの検討を行った。ステレオカメラを使用しての自己位置推定を人にセンサを搭載して実施した。そして、人に装着したステレオカメラと全方位カメラにより、人の移動軌跡と環境中の全方位カメラ画像を環境中の地図として予め離散的に複数保存して、その離散的な画像情報とのヒストグラムマッチングにより自己位置推定を行う手法の開発を試みた。三次元姿勢センサを人の胴体に1つ、片腕に2つ、片足に1つ搭載し、そのうち片腕1つ,片足1つのセンサは気圧も計測可能であり,気圧情報も含めて見守られる人の状態推定手法の開発を試みた。状況推定において、立位と臥位については正しく判定することが出来たが、腕の状況を正しく判定するにはさらなる精度向上が必要であった。新たな光学透過型ヘッドマウントディスプレイや非透過型ヘッドマウントディスプレイを用いた視覚共有システムの更新を図った。ドローンを使用して任意の三人称視点から対象物体の確認を行うシステムの開発を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新たな複数カメラシステムのための新しいカメラの検討を行ったが、複数のカメラを統合したカメラシステムとしての形にはできていない。今後は複数のカメラを統合したカメラシステムとして開発を行う。 ステレオカメラを使用しての自己位置推定を人にセンサを搭載して実施した。そして、人に装着したステレオカメラと全方位カメラにより、人の移動軌跡と環境中の全方位カメラ画像を環境中の地図として予め離散的に複数保存して、その離散的な画像情報とのヒストグラムマッチングにより自己位置推定を行う手法の開発を試みた。自己位置の推定は可能であったが、状況によっては推定に失敗する場合もあるので今後の精度向上が望まれる。また、現在位置のみの推定であるので今後は姿勢の推定の実現も図る。 三次元姿勢センサを人の胴体に1つ、片腕に2つ、片足に1つ搭載し、そのうち片腕1つ,片足1つのセンサは気圧も計測可能であり,気圧情報も含めて見守られる人の状態推定手法の開発を試みた。状況推定において、立位と臥位については正しく判定することが出来たが、腕の状況を正しく判定するにはさらなる精度向上が必要であった。今後はより安定した状況推定が行えるようにシステムの改良を行う。また、センサの配置数を増やして、より状態推定の詳細化を今後検討していく予定である。センサ数を減らしても状況推定が可能な部分があるならばその切り分けを行い、少ないセンサ群での状況推定の可能性についても検討していく予定である。 新たな光学透過型ヘッドマウントディスプレイや非透過型ヘッドマウントディスプレイを用いた視覚共有システムの更新を図った。今後は新しいヘッドマウントディスプレイを用いた視覚共有実験、行動誘導実験を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、全方位の画像を取得するためにこれまでに検討してきたカメラを使用して全方位画像を取得する複数カメラシステムの開発を行う。全方位安定化画像による一人称視点の視覚共有手法の開発を初年度から開発したカメラシステムに対しても適用していく。保存した全方位画像を利用した見守られる人の自己位置姿勢推定において、これまでよりもその精度向上を図る。また、自己位置のみでなく、姿勢の推定も行えるようにする。ステレオカメラによる位置姿勢推定手法を実際に人に搭載し、その精度の検証を行っていく。また、人の自己位置姿勢推定の精度向上のために、3D LiDARを使用した自己位置姿勢推定手法の実現を図る。開発している見守られる人の全身の姿勢推定手法において状態の推定の安定性について改善を行っていく。また、センサの配置数を増やして、より状態推定の詳細化を検討していく。そして、当初計画していた見守られる人を三人称視点から見る画像生成手法や見守られる人の状態の自動検知手法の開発を行っていく予定である。各カメラで過去に撮影した画像も含めること等により現在物理的にカメラが存在しない場所からの三人称視点画像生成を実現も目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)当初の計画の令和4年度において、研究発表、および、調査研究のための学会参加費等の旅費を見込んでいたが、学会参加費等の旅費を見込んでいた額ほど使用しなかったためである。
(使用計画)次年度使用額は、次年度においての開発システムの改良が必要であるため、そのための物品費の一部、および、学会参加費等の旅費の一部として使用する予定である。また、翌年度分として請求した助成金は、当初の計画のとおりのシステムの開発のための物品費、および、学会参加費等の旅費として使用する予定である。
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