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2023 年度 実施状況報告書

地域在住高齢者の排泄改善プログラムの効果検証ー介護予防・転倒予防を目指して―

研究課題

研究課題/領域番号 21K12814
研究機関新潟医療福祉大学

研究代表者

今西 里佳  新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90567190)

研究分担者 中島 ともみ  藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (40624333)
田中 浩二  群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (60613601) [辞退]
松本 香好美  日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (20586200)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード排泄改善 / 地域在住高齢者 / 転倒予防 / フレイル
研究実績の概要

高齢者におけるフレイル予防および介護予防は,我が国が直面している超高齢社会の喫緊の課題である.フレイルを示す老年症候群には尿失禁や便秘などの排泄症状が挙げられる.排泄症状の中でも夜間頻尿や過活動膀胱,切迫性尿失禁と転倒・転倒骨折は関連があると報告されており,転倒・転倒骨折はフレイル・サルコペニアと密接に関係していると考えられている.本研究は,フレイルと排泄症状,転倒や転倒に至る前段階の転倒インシデントとの関連を明らかにし,排泄に関連する転倒予防のために健康講話を実施して,行動療法による各症状改善の6か月後の効果検証を行うこと,また気候帯の異なる地域での差異を検証することを目的としている.
初回調査は,各地域の通いの場等で活動に参加している地域在住高齢者を対象として体力測定や質問票調査を実施後,排泄関連の転倒予防のための健康講話を行い,受講後に自宅にて行動療法に取り組んでいただいた.また6か月後には排泄症状や転倒インシデント調査および行動療法の取り組みを確認し,効果検証を行うためのフォローアップ調査も実施した.日本語版フレイル基準によるフレイル判定で,健常群とフレイル・プレフレイル群の2群に分けると,フレイル・プレフレイル群が約5割であった.フレイル・プレフレイル群では,サルコペニア有症率は2割,2回以上の夜間排尿回数は6割超,過活動膀胱は5割,尿失禁は約6割の割合で有していた.日中・夜間共に転倒インシデントの経験は約3割であった.一方健常群では,サルコペニア有症率は1割,2回以上の夜間排尿回数は5割超,過活動膀胱は3割超,尿失禁は約6割の割合で有していた.日中・夜間共に転倒インシデントの経験は約2割であった.6か月後のフォローアップでは,夜間排尿回数と尿意切迫感頻度は減少し,夜間頻尿および過活動膀胱有症率は減少した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本課題の対象は地域在住高齢者のため,2年目まで新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けてきた.密閉・密集・密接を避けるために高齢者に集まっていただけない状況が続いていたが,ようやく課題推進の阻害因子がなくなり,今年度より各機関の協力を得て課題を進めている状況である.また研究分担者の削減に伴い,本研究の推進のために研究分担者を追加した.

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルスの感染拡大が収束したため,各地域の機関や組織の協力を得て,調査対象者も研究協力者もリクルートを続け,体力測定・質問票調査・健康講話を気候帯が異なる地域で進め,効果検証および気候帯での差異をまとめる予定である.また,健康講話のみでは症状の改善に至らなかった対象者への個別介入研究も進めていく.

次年度使用額が生じた理由

本課題は2年目まで,新型コロナウィルス感染拡大が続いたため,当初計画していた調査ができなかった.また研究分担者の削減と追加があり,研究体制が変わったが,依然2年分の影響は続いてきた.次年度も調査が推進するよう,研究協力者・研究対象者への謝金,各研究拠点への交通費,印刷費,各研究拠点への物品配送料,物品費に使用する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 下部尿路機能障害に対するリハビリテーション2024

    • 著者名/発表者名
      今西里佳
    • 学会等名
      第14回日本腎臓リハビリテーション学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 作業療法士も関わる排泄リハビリテーションのための評価2023

    • 著者名/発表者名
      今西里佳,長嶺ふじ子
    • 学会等名
      第57回日本作業療法学会
  • [学会発表] 下部尿路機能障害に対する評価とアプローチ2023

    • 著者名/発表者名
      今西里佳
    • 学会等名
      新潟県作業療法士会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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