研究課題/領域番号 |
21K12817
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
本城 豊之 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 助教 (20710643)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 二足歩行 / 歩行アシスト / 歩行シミュレーション / 筋骨格シミュレーション |
研究実績の概要 |
二足歩行は日常生活において基本的でありながら重要な要素である.また,高齢社会を迎えている日本において,「歩行能力の維持・向上」は寝たきりといったQOLを低下させうる状況を回避し,介護・介助者不足を軽減する上でも重大な課題となっている.近年,歩行支援を含む軽労化のための様々なアシストシステムが開発されており,有効な運動アシスト方法が望まれている.人体と機械要素のインタラクションを要するこのようなシステムでは,無理のない安全な力発揮を目指し,ある部位の運動をアシストするにあたって,身体がその構造上有している固有のダイナミクスに基づき,複数の部位との協調によって自然と運動が誘発される状況等を利用することが有効であると考える. 本研究では,二足歩行を対象に,運動に制約のある片側の脚の運動をもう一方の脚と上半身の運動によって自然と誘発し,効率的な補助による歩行アシスト方法を目指すものである.そのため,円弧上の足部や傾斜路を利用し,遊脚側の運動における随意的な力発揮を避け,支持脚と上体間の股関節にのみ力発揮を許可することで,遊脚の運動が支持脚と上体間の制御入力と系のダイナミクスによって自動的に定まるような二足歩行系のシミュレーションを実施した.このような,劣駆動系による二足歩行シミュレーションから,股関節に剛性を有する片側の脚の運動を誘発する上体及び支持脚の運動を数値的に解析した. また,筋骨格系の歩行シミュレータを導入し,このような歩行方法が人体の筋に及ぼす負担を評価するために,上記の歩容を模した3次元的な歩行運動中の筋張力を推定するシミュレーション環境を構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
運動に制約のある片側の脚の運動をもう一方の脚と上半身の運動によって自然と誘発する方法について検討するため,先行研究を参考に歩行中の上体の運動方向を3種類設定した場合の各上体の運動が遊脚の振り出しに与える影響を,準受動歩行系を規範とした歩行シミュレーションから検証した. この歩行モデルでは随意的な駆動を避けるため,円弧上の足部の転がり効果や緩やかな傾斜路を利用し,支持脚と上体間の股関節に対する制御入力のみを与え,遊脚には制御入力を与えていない.これにより,遊脚の運動は支持脚と上体の運動によって自ずと定まるため,上体の運動方向を変えたことによる影響が歩容の差を生み出すことになる.このようなシミュレーションを,股関節の剛性や遊脚膝関節の屈曲伸展運動の有無等を踏まえて,様々なパラメータに対して実施した. 結果として,上体の運動方向によって,片側の脚に股関節の剛性を有するモデルにおいても,支持脚側の股関節入力によって,遊脚の振り出しを誘発し,大股で歩調の緩やかな歩容や小股で歩調の早い歩容を生成できることを確認した.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの数値シミュレーションによって得た歩容を筋骨格系シミュレーションで模した場合の各筋の負担などを推定,評価し,筋の力発揮の観点から負担の少ない歩容や適切なアシスト力の設計を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
学会等の参加予定が変更となったためであり,以降の研究成果の発表に充填する
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