現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では、大きく①上田閑照の「二重世界内存在」の哲学を西田とハイデガーのポイエシス論との関わりから考察する研究、②柳宗悦(および鈴木大拙)の思想交流から見る西田のポイエシス論の研究、③西田とハイデガーのポイエシス(制作:技術・芸術)論の比較研究を、行う予定であった。 ①に関しては、2022年に出版された共著(Tetsugaku Companion to Ueda Shizuteru - Thoughts about Experience, Language, and Zen edited by Raquel Bouso, Ralf Mueller, and Adam Loughnane, Springer, 2022.)所収の論文“Two-fold Being-in-the World in Ueda’s Philosophy: On His Interpretation of Heidegger and Nishida,” に結実した。②については、2022年に出版された共著(廖欽彬・伊東貴之・河合一樹・山村奨・編著『東アジアにおける哲学の生成と発展――間文化の視点から』法政大学出版局、2022年2月)に、「西田幾多郎と柳宗悦――ポイエーシスの哲学と民藝の思想」という論文に結実した。この論文は修正・加筆の上に、2023年に出版した単著『西田幾多郎の行為の哲学』に所収した。③については、上記のように、2023年度に口頭発表を行い、本年度、論文として公にされる予定である。
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