研究課題/領域番号 |
21K12845
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
二ノ宮 聡 北陸大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (50735016)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 上海 / 廟会 / 春節 / 民間信仰 |
研究実績の概要 |
本年は研究計画では全3年の2年目に当る。申請時の計画では、基礎資料の整理を終え、夏の予備調査と冬の本調査を実施して、上海の春期廟会の記録をする予定であった。しかし、昨年度に続きコロナの影響で現地調査を実施することができず、本年も資料収集を中心に進めた。昨年度はネットを中心に情報を集めたが、本年度は上海在住の中国人の知人に頼み、春節の一ヶ月前から廟会開催の情報収集に協力を依頼した。当初は現地だからこそ入手できる情報もあるかと期待したが、実際はネットでの情報収集が主であり、日本からの情報収集と大きな違いはなかった。一方で、各寺廟からの廟会開催情報はwebではなく微信での発信に変化していることを知れたのは大きな収穫であった。 微信での情報は、個人の訪問記といった断片的な情報ばかりである。これを逐一情報収集するには限界がある。そのため、やはり公式からの情報収集が最も有用である。一方で、従来知らない場所での開催情報を得られる事もあるため、参考としての情報収集は実施している。 2022年と2023年の廟会開催情報を比べると、昨年度はコロナによる都市封鎖の影響で廟会は開催されなかったが、本年はコロナ政策が解除されたために、数カ所ではあるが廟会が開催され、屋台や演舞など従来の活動が戻りつつあることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述したように、春節廟会の調査を実施できないことが進捗が遅れている最大の理由である。本年度は条件付きではあるが中国への渡航が可能となっているため、調査を実施できることを望む。また、廟会そのものも従来の規模で開催されておらず、数カ所のみに限られている。こうした事から、当初期待していた情報が得られないことも強く影響している。
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今後の研究の推進方策 |
本年は、研究計画では最終年度にあたる。すでに現地調査以外の文献資料はかなりの量を収集している。また、条件付きではあるが中国への渡航が可能となっているため、現地調査の実施を前提に研究を進められそうである。また、研究計画書でも記した通り、調査が実施できない場合は、上海と蘇州の中心的廟会を文献資料を用いた調査に変更する。この変更は、今夏の予備調査の可否によって判断したい。また、予備調査が可能であった場合は、研究期間の延長を申請して、当初の予定通り二年分の現地調査をの実施する。 現在、コロナ政策の解除により、市内の文化活動も再び活動を始めている。例えば、有名な龍華寺では、4月29日から5月2日にかけて上海市文化和旅游局、上海市徐匯区人民政府龍華街道弁事処の主催で廟会が開催されている。コロナ後の文化活動が再び盛んになる傾向がある。これをきっかけに今後、各地で廟会活動が再開していくことを願う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の主目的である現地調査が実施できないため、次年度使用額が生じている。今後、調査が可能となれば、繰越金は使用される見込みである。
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