研究課題/領域番号 |
21K12850
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 京都女子大学 (2022-2023) 龍谷大学 (2021) |
研究代表者 |
リュウシュ マルクス 京都女子大学, 文学部, 講師 (40881488)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 阿弥陀信仰 / 九州 / 空間 / 民間信仰 / 現象学 / 神仏習合 / 山岳信仰 / デジタル空間 |
研究成果の概要 |
本研究課題の成果は主に三つのテーマで説明できる。一つは、長崎県と佐賀県の阿弥陀空間であり、その文脈では巡礼と真言密教に注目した。特定の宗派に限定できない事例として、阿弥陀信仰がどのように特定の地域に根付いたかを明らかにした。 もう一つのテーマは秘密空間と民間信仰である。具体的には「浄土真宗」とその周辺にある四つの宗教集団を分析し、政治的あるいは宗教的な理由によって隠れた念仏グループとその儀礼空間を明瞭にした。 三つ目はデジタル空間である。コロナパンデミックが仏教界にも大きな影響を与えたため、それにともなって変貌した仏教の儀礼空間およびその背景にある教義の具体的な内容を明らかにした。
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自由記述の分野 |
宗教学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、これまで対立する傾向にあった文献学的宗教学と物質的な側面に注目する宗教学の横断的研究方法を提示した。実際に身体をとおして体験する空間の客観的な情報に加え、教義書や地図を並行に分析の対象にしたため、実生活に繋がる文献学的宗教空間研究の可能性を明らかにした。 また、信仰者などが抱える空間理解を参照しないため、特定の信仰に限定せずに宗教空間の構造とその魅力を提示することを試みた。九州には、長い歴史を有する宗教施設が多くあるが、訪問者数が徐々に減少する例が稀ではない。本研究課題の社会的意義は、忘れられつつある宗教空間の情報を共有することと、日本仏教の多様性を明瞭にすることである。
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