本研究はスーフィー教団という組織をスーフィズム思想という面から考察する事で、現代まで継承されるスーフィズムの源泉としての中世期スーフィズム思想の役割を明らかに提示することを目指した研究であった。具体的に本研究は、1)教団の始祖(教祖)と見做されたスーフィーと、2)教団の実質的な運営者、そして3)教団組織という3者に注目する。3者の思想的な関わりの様子を資料から読み解くことで、1)教団の始祖とされたスーフィーの思想を教団運営者がどのように理解し、取捨選択を行ったのか、及び2)始祖の思想は教団においてどのような役割を果たしたのかを明らかにすることを目指した。
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