研究課題
若手研究
本研究では、百鬼夜行譚の新しい事例を新たに四つ確認することができた。また、百鬼夜行日の起源について、具注暦に「忌夜行」が記されるようになったきっかけを探る手がかりとして、宣明暦の暦注の依拠資料とされる『大唐陰陽書』の現存諸本を調査し、百鬼夜行日に関する従来の解釈において「節切り」という前提が殆ど無視されてきたことを指摘したうえ、その理由と背景を明らかにした。
人文学
本研究では、先行研究を踏まえ、文献資料を博捜した上で百鬼夜行譚の事例を新たに確認することができた。これによって、より精緻な研究を目指すことが可能になった。また、百鬼夜行日に関する記録は、文献上最も早く現れたにもかかわらず、関連する研究は皆無に近い。本研究において、百鬼夜行日の関連記録を整理し考察することによって、百鬼夜行を正確に定義し直すことができるのみならず、この研究の空白を補うことにもなる。