研究課題/領域番号 |
21K12859
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研究機関 | 東洋英和女学院大学 |
研究代表者 |
堀川 敏寛 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 講師 (90748427)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ブーバー / ヘブライ語聖書解釈 / 『我と汝』 |
研究実績の概要 |
1. コロナ禍が開けたことによって、ドイツのブーバー学会に二度ほど出席することができ、研究課題に関する最新の動向を知ることができた。研究の動向のみならず、ドイツ語でのレクチャー聴講やディスカッションの機会を久々に持ち、研究への刺激と専門知識の獲得が可能となった。 2. ブーバーの最新研究に関するシンポジウムが京都ユダヤ思想学会で開かれたことにより、研究の最前線をまとめ、公表する機会を持つことができた。そこでは主著である「ブーバー『我と汝』テクストを読み直す」というテーマを設定し、ブーバーの思想を、徹底的に批判して、再解釈した。日本という文脈で、ブーバー研究のステレオタイプ史と彼の思想の中心的概念が対話ではなく関係性である点を発表することができた。 3. 『宗教研究』へ投稿した査読論文では、査読者の「厳しい審査により、更なる書き直しを要求され、ブーバーの思想史研究を根本から再評価することが可能となった。それによってブーバーが扱われてきた研究史とブーバー自身の研究の焦点との齟齬が解明された。具体的に、ブーバーは哲学を批判することから、彼が目指したものが、哲学的人間学である点を示した。 4. 2004年4月7日に開催されたドイツのブーバー学会でのプレゼンテーションをドイツ語で行う準備をした。ブーバーの聖書解釈に関するもので、それによって本科研課題をとおして進められている研究を、海外で公開する機会を与えられた。今回はヘブライ語聖書冒頭で描かれた人間の二重創造説解釈について、それがブーバー思想の二重性と根本的に繋がっている点を解釈した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナ禍脱出による海外学会への参加、発表機会の創出が可能となった点と、国内でも二つの学会発表と論文投稿ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画を進行させる。ドイツの学会への参加を継続させ、未だ実行できていないイスラエル国立図書館とニューヨークユダヤ歴史資料館での資料収集を試みたい。また年度末には成果報告ができそうな研究会を開催予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究課題が途上であり、最終的な成果報告をする機会を設けたいから。これまでドイツの学会へ出席することで、研究動向の調査と資料収集をすることができたが、当初の計画であったエルサレムとニューヨークへの渡航を実行できていない。よって次年度はこれらを実行するための活動資金が必要である。
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