研究課題/領域番号 |
21K12889
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
宮武 慶之 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30760087)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 商業史 / 文化史 / 近世絵画史 / 茶の湯 / 不動産 / 動産 / 材木商 / 来歴研究 |
研究成果の概要 |
江戸の材木商冬木屋の商業的活動と文化的活動を研究した。商業的活動については、元禄期から正徳期に至るまでの冬木屋の致富の過程について、鹿島十分一番所の税請負、犬山屋神戸家との取引、飛騨南山における元伐請負の記録から再構築した。文化的活動では冬木屋当主と芸術家との関係について、三代目政郷と英一蝶及び横谷宗珉、七代目喜平次と酒井抱一、八代目喜平次と喜田武清との交流が認められ、作画と所蔵品の拝見といった活動が確認できた。総じて、冬木屋の材木商としての活動と、致富の過程の再構築、さらには歴代当主と芸術家の関係は、美術史及び文化史における冬木屋の位置付けがより明確になったと結論することができる。
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自由記述の分野 |
美術史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、資料の不足から明らかにされていない冬木屋本分家の活動を、過去帳と系図から明確にしたことで、美術史及び文化史研究に貢献する。また歴代を通じ、冬木屋を中心とした材木商をめぐる関係が、実際には商業的活動と文化的活動が混在していたことが確認され、当時の社会的背景を理解する上でも重要となる。また冬木屋の致富の過程を商業史の視点から研究し、不動産及び動産としての美術品取集の背景が明確となり、社会史分野にも貢献できたと考える。冬木屋における主要な作品の入手や芸術家との交流を、より明確にできる点で本研究のもつ社会的意義は重要と位置付けられる。
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