研究課題/領域番号 |
21K12899
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小川 翔太 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (00800351)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フィルムアーカイブ / 映像アーカイブ / トランスナショナル映画 / 映画祭 / コスモポリたニズム / デジタルアーカイブ / アジア映画 / グローバル・アジア |
研究実績の概要 |
コロナ禍による国内・国外出張の制限、またR3.10.1からR4.3.31にかけて育児短時間勤務・育児休業を取得したことで当研究課題の大部分を休止したため、次のような研究・調査工程を当初の研究計画に大幅な修正を加えながら進めた。 R3.4.1 - R3.9.30 初年度の「国内調査」は、基本的に遠隔調査で入手可能なものを中心に一次文献・二次文献を収集した。フィールドワークは上記の理由から延期せざるを得なかった。反面、AMIA(The Association of Moving Image Archivist)の年会(R3.4)やSCMS(Society of Cinema and Media Studies)年会(R4.3)にオンライン参加することで、フィルムアーカイブ研究の最近の動向を調査し、韓国芸術総合学校主催の国際シンポジウム『Trans: Asia Screen Culture Institute Symposium』(R3.10.1)ならびにAAS(Association of Asian Studies)の年会(R4.3.27)でそれぞれ本研究調査に基づく口述発表をオンラインで行い、国際的な研究の場でフィードバックを得ることができた。尚、基盤研究B「デジタル映像アーカイブの未来研究」(20H01219)の研究分担者として進めた調査と上記の文献調査の成果として学術論文「証言映画のアーカイバル・ターン――朴壽南(パク・スナム)の映像断片の可読性をめぐって」『映像学』107号(2022)、22-39(査読有)を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染拡大防止のための緊急事態宣言や蔓延防止重点措置、また下半期には育児短時間勤務・育児休業を取得(R3.10.1-R4.3.31)したことで、上半期は国内出張が制限され下半期は遠隔資料調査を除いた研究行程を休止したため当研究課題の進捗は大幅に遅れている。他方で、すでに進めていた基盤研究B「デジタル映像アーカイブの未来研究」(20H01219)の分担者として得た知見も活用しながら当初の研究目的に調整を加え、初年度の研究を学術論文にまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、初年度に延期した神戸映画資料館、山形市民フィルムライブラリー、福岡フィルムアーカイブでの実地調査を行うとともに、パンデミックに伴う入国条件が緩和されれば釜山国際映画祭と光州ACCの実地調査を行う。また、十分に実地調査をすることが叶わなければ二次文献の網羅的な調査をもとにレヴュー論文を執筆することでなんとか研究を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19に伴う移動の制限と下半期に育児のため研究を休止したことから必要経費が大幅に減った。育児休業を取得した期間に相応する6ヶ月間の研究延長を申請する予定であるため、未使用予算は延長期間に充てる。
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