研究課題/領域番号 |
21K12913
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
生田 慶穂 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (00846230)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 連歌 / 最上義光 / 里村紹巴 |
研究実績の概要 |
2022年度は、最上義光が連歌会で同座した人々に焦点を当て、連歌をとおして義光がどのような人間関係を築いていたのか考察した。その面々は、臣下の江口光清・堀喜吽、里村家の紹巴・昌叱・景敏(昌琢)・玄仍・玄仲、北野社の能札・能舜、公家の日野輝資・飛鳥井雅庸、武家の黒田孝高・山名禅高・前田玄以、豪商の灰屋紹由・角倉了以など多岐にわたる。義光が連歌会で同座した人々は、「豊臣文化圏」ともいうべき公武・階級を問わない文化人たちであり、里村家(とくに紹巴)の仲介によってそのような場が成立したと考えられる。 さらに、義光の付句の分析も行った。義光は、古今集・新古今集・伊勢物語・源氏物語など連歌に必要な古典教養を十分に身につけて本歌取・本説取を行っており、一座における句数もおおよそ八句以上と多く、確かな実力をもっていたと評価できる。実例を挙げると、「愚かなる身をかへりみの宮仕へ(昌叱)/時めく人をなに妬みけん(義光)」(慶長二年八月十五日連歌)では源氏物語の桐壺の巻を、「親の許さぬ縁もぞうき(友益)/うしろ見にまかするこそは哀れなれ(義光)」(慶長三年六月六日連歌)では伊勢物語40段をふまえる。また、臣下と連歌を読み交わすことで紐帯を深める場面も見られた。「梅咲て匂ひ外なる四方もなし(義光)/いくへ霞のかこふかき内(守棟)」(文禄二年二月十二日連歌)、「空も海も汀も山も君がまま/霞晴れつつ出づる日の色(満茂)/鴬の羽ぶくに梅の香りきて」(慶長五年三月七日夢想連歌)など、戦勝祈願を匂わせるものとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
妊娠・出産のため、産休・育休による研究中断期間が半年ほど生じた。
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今後の研究の推進方策 |
「産前産後の休暇、育児休業の取得に伴う補助事業期間延長承認申請書」により事業期間を1年延長する。
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次年度使用額が生じた理由 |
妊娠・出産による研究中断期間が半年ほど生じたため、事業を1年間延長する。予算の使途に大きな変更はない。
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