研究課題/領域番号 |
21K12923
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山下 洪文 日本大学, 芸術学部, 助教 (50886372)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 荒地派 / 中桐雅夫 / 菅谷規矩雄 / 飯島宗享 / 鈴木喜緑 / 未発表資料 / 実存主義 / 戦後文学 |
研究成果の概要 |
荒地派の詩と思想を解明するため、日本大学芸術学部(日藝)の卒業生・学生を集めて「実存文学研究会」を結成した。中桐雅夫・菅谷規矩雄・飯島宗享・鈴木喜緑らの足跡を私たちは辿り、未発表資料を発見し、翻刻した。また、その歴史的意義を明らかにする論文・創作を執筆した。 これらをまとめたものが、『実存文学』『実存文学Ⅱ』(山下洪文監修、2022~2023年、未知谷)である。第一巻が776頁、第二巻が768頁の大著となった。その他戦後詩に関する数々の論文を執筆し、荒地派の歴史的意義はいまや明らかにされたと言いうる。 以上のように、本研究は日本文学史の新たな側面を照らし出し、その前進に寄与している。
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自由記述の分野 |
戦後詩
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、戦後詩の未発表資料を翻刻・研究することで、戦後文学・哲学の未知の側面を照らし出した。飯島宗享がひそかに書き継いだ小説も、鈴木喜緑の晩年も、菅谷規矩雄が上演を熱望した劇も、中桐雅夫の戦時の動向も、本研究をとおして初めて明らかになった。 戦後文学の貴重な資料を散逸する前にまとめたこと、それを考究する論考・創作を学生とともに執筆したこと、それらを書籍として歴史に刻印したことは、学術的意義を有するのみならず、社会的意義をも広く主張しうると確信する。焼け跡からすべてを始めようとした荒地派の営為は、確実性なき時代を生きる私たちに、深い暗示を与えている。そのことを、本研究は証明したのである。
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