日尾邦子の旅日記『江島鎌倉紀行』には、邦子が即興で詠まれた漢詩を直ちに理解して、その内容を踏まえて詠んだ和歌がある。邦子の詠歌能力と共に、漢学への素養をうかがわせるものとして重要であることを指摘した。 以上の内容について、「日尾邦子江島鎌倉紀行」と題して論文を執筆し発表した。(『国文目白』第六十一号六〇~六十九頁、二〇二二年二月) また、同著者作『花月園漫筆』の分析により、邦子の興味の範囲は、詠歌そのものよりも「歌語」に及んでおり、本書は歌学書的な要素を持つことが明らかとなった。以上の内容は、「日尾邦子『花月園漫筆』考」と題して論文化して発表した。(『国文目白』第六十三号、二〇二四年二月)
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