研究課題/領域番号 |
21K12925
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
日置 貴之 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (70733327)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 歌舞伎 / 上演台本 / 演出 |
研究実績の概要 |
2023年度はベルギー・ゲント大学で開催されたEuropean Association for Japanese Studies大会に参加し、“Alien” People in the Meiji Era Kabuki Play: The Representations of Russia and Ainu in ‘The Beginning of the Shin-Fuji at Meguro’ と題した発表をおこなった。本発表は、明治23年に初演された竹柴其水作の歌舞伎『山開目黒新富士』の上演史と上演背景を論じたものであり、早稲田大学演劇博物館所蔵の上演台本を主要な資料として用いた。発表内容および席上での議論をもとに論文化をおこなっており、2024年度中に刊行予定である。 この他には、海外渡航・滞在費用の高騰もあり、国内での調査は東京周辺の機関におけるものが中心となったが、明治期を中心に歌舞伎上演台本の調査・研究を進めている。2023年度は明治20年代までの上演台本を中心に調査をおこなっており、今後口頭発表、論文執筆や重要な台本の翻刻紹介などを通じて研究成果の公表をおこなっていきたい。 また、明治期の歌舞伎を中心とした演劇写真の研究書として高い評価を得た村島彩加氏の著者『舞台の面影――演劇写真と役者・写真師』の書評執筆を通じて、上演台本以外の資料を用いた研究に関する知見を深めた。今後の研究への反映を考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展しているが、海外渡航・滞在費用、国内旅費の高騰により、当初計画よりも遠方での調査や研究発表の回数は控えざるを得ない状況となっている。オンライン会議等の手段も活用しつつ、他の研究者との意見交換や研究成果の公開を進めていくことを考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度も引き続き上演台本を基礎資料とした明治期以降の歌舞伎の上演研究を継続していく。特に今年度は明治30年代から大正期の状況に注目し、研究とその成果の公表を進めていくことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会参加のための費用が当初の予定より高額となり、支出内訳に変更が生じた結果、若干の余剰が発生した。次年度予算と併せて資料複写等の費用として使用する予定である。
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