研究課題/領域番号 |
21K12929
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
金 ヨンロン 大妻女子大学, 文学部, 講師 (60806595)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 沖縄文学と捕虜 / 朝鮮人戦犯 |
研究実績の概要 |
日本の戦後文学における戦争捕虜(POW)の表象をまとめ、国際法とレイシズムの問題を考える本研究において、2年目である2022年度の課題は、資料収集や理論の模索など基礎研究を行うことであった。そのため、8月15日から8月21日にかけて沖縄で研究調査を行い、沖縄の収容所や、ハワイにおける捕虜を描いた沖縄文学と関連資料を集め、整理した。他にも国会図書館での資料調査や古本等を通して一次資料を集め、リスト化する作業を続ける一方で、捕虜収容所にいた朝鮮人戦犯を描き、レイシズムの問題を正面から扱った小田実の「折れた剣」に関する研究論文を発表した(「再審の光景:小田実「折れた剣」(一九六三年)論 」『大妻国文』(54) 2023年3月、139-160頁)。直接、捕虜の問題を扱ってはいないが、戦争犯罪としての戦時性暴力とレイシズム、国際法とは思想的な関わりがある韓国文学に関する研究論文も発表した(「沈黙を記載する方法:キム・スム『聞き取りの時間』(二〇二一)を手掛かりに 」『大妻女子大学紀要ーー文系ーー』(55) 2023年3月、117-126頁)。また、「法と文学」という本研究の理論的基礎にもとづいた研究発表も行った(「戦後日本に召喚される小林多喜二と「法」」『生誕120年没後90年記念 小林多喜二国際シンポジウム in 東京2023「あらためて考える「蟹工船」・資本主義・憲法」』2023年1月22日)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究調査もその成果の発表もおおむね計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、海外渡航が自由になるにつれ、日本文学における捕虜の表象のみならず、オーストラリア文学における捕虜問題などを調べ、海外の学会などで積極的に発信していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に予定したオーストラリア及び海外学会の参加は、新型コロナの感染状況によって見送られ、国内出張のみが行われたため、旅費の支出に未使用額が生じた。2023年度は、状況が落ち着けば、前年度予定していた研究出張及び学会発表を行う予定である。
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