研究課題/領域番号 |
21K12930
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
馮 超鴻 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, その他(招聘研究員) (30879705)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 玉藻前 / 狐妖 / 比較文学 / 日本近世文学 / 中国古典文学 / 読本 / 実録的写本 / 通俗軍談 |
研究成果の概要 |
室町期に出現した玉藻前説話は、江戸期においてさらなる発展、変貌を遂げた。本研究はその発展の具体的な様相を追究し、その過程において如何に日本の伝統を踏まえながら、中国文学の影響を受けたかに注目した。 まず、江戸期の玉藻前説話の集大成である『絵本三国妖婦伝』の解読に取り組み、著者が如何に先行の狐譚を踏まえて改編を行ったかを浮き彫りにした。また、『勧化白狐通』がこの発展の過程において承前啓後の役割を果たしたと指摘した。さらに、『画本玉藻譚』と『絵本三国妖婦伝』に見られる「同形二人」の趣向を分析し、ジャンルが異なる文芸作品にも目を向けながら、一連の玉藻前作品群の視点から趣向の出現について考察した。
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自由記述の分野 |
人文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
室町期に発生した玉藻前説話は江戸期に至ると、中国文学より多くの要素を摂取しつつ、さらなる発展をなし遂げた。江戸期の玉藻前説話を研究する上で、中国文学の視点が不可欠であるが、多くの先行研究ではその方面の研究が十分になされていない。本研究は日中両国の古典文学に目を向け、日本の伝統を踏まえて玉藻前説話が如何に変貌したのかを考察すると同時に、中国文学を如何に吸収して変化を成したのかも明らかにした。これらを通して、従来の研究の空白を補った。このことは、江戸文学における中国文学の受容の一つの具体例として提示することができ、江戸文学研究という大きな枠組みにおいても学術的意義を持つと考えている。
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