研究課題/領域番号 |
21K12933
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
雲岡 梓 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (30732888)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 荒木田麗女 / 笠舎 / 歴史物語 / 続日本紀 / 神皇正統記 / 連歌 |
研究実績の概要 |
産前産後休暇・育児休業の取得にともない、「研究中断届」・「延長承認申請書」を提出して2022年7月1日から研究を中断しているため、荒木田麗女の歴史物語・紀行文・随筆について、当初の予定通り研究計画を遂行することができなかった。 紀行文・随筆については計画通りに研究に着手することができず、歴史物語についてのみ研究を進めることができた。 神武天皇から高倉天皇までの歴史を記す未翻刻の長編歴史物語『笠舎』につて、巻12の翻刻と、麗女が執筆した際に典拠とした作品の調査を行った。その結果、『笠舎』巻12の第46代孝謙天皇条は、『続日本紀』の記事を和文に改め、そこに『神皇正統記』・『元亨釈書』・『本朝高僧伝』の記事を付け加えて執筆されたものであることが明らかになった。その成果を、論文「荒木田麗女『笠舎』巻十二・四十六代(孝謙天皇)の翻刻と典拠の考察」としてまとめ、『日本文藝研究』第74巻第2号(2023年3月)に発表した。 また、麗女が執筆した物語作品の典拠特定や、連歌知識の範囲等を知るために、神宮文庫(三重県)に所蔵される麗女夫婦の蔵書目録とみられる3冊の書、『書目 全』・『要書目』・『書目』のうち、『要書目』(寛政2年成立)の翻刻と調査を行った。その結果、現存未詳の資料も含め、『要書目』に記される合計1026種の書名が明らかになった。同書の翻刻についてはいまだ雑誌等で公開していないが、今後翻刻論文の形にまとめて公開の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
産前産後の休暇、および育児休業の取得のために「延長承認申請書」「研究中断届」を提出し、2022年7月1日から研究を中断したため。 なお、予定していた研究計画を1年半後ろ倒しし、育児休業復帰後に再び研究を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
産前産後の休暇、および育児休業の取得のために研究計画の変更が生じたが、予定していた研究計画を1年半後ろ倒しし、2024年度に研究を再開する。再開後は、後醍醐天皇から後陽成天皇までの歴史を記す長編歴史物語の『池の藻屑』と、高倉天皇・安徳天皇二代の出来事を記す歴史物語『月のゆくへ』について、詳細な語注と現代語訳を付した全注釈書発行に向けて注釈・現代語訳作業を進め、完成を目指す。また神武天皇から高倉天皇までの歴史を記す未翻刻の長編歴史物語『笠舎』の翻刻と典拠の特定作業を進める。現在までに『笠舎』全33巻中12巻までに翻刻を終えているため、引き続き13巻以降の翻刻を行う。 そして、麗女の紀行文『初午日記』・『後午日記』・『山行記』・『谷の声』について、先行する井上通女の紀行文『東海紀行』・『帰家日記』との影響関係の分析を行う。それに際し、『東海紀行』・『帰家日記』の諸本を調査し、最善本の特定を行いたいと考えている。 さらに、白百合女子大学に所蔵される麗女の未翻刻の短編随筆『麗女文集』・『和文の註』の翻刻作業と内容分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後の休暇・育児休業の取得のため、2022年7月1日から研究を中断したため、研究計画に変更が生じ、予定した学会出張や調査等が行えなかった。 研究計画を1年半後ろ倒しして2024年に研究を再開する予定であり、次年度使用額については神宮文庫(三重県)・白百合女子大学図書館(東京都)・丸亀市立中央図書館(香川県)・久留米市民図書館(福岡県)等での資料調査の旅費に使用する計画である。
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