研究課題/領域番号 |
21K12942
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
代 珂 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 講師 (60767739)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 満洲国 / ラジオ放送 / 放送コンテンツ |
研究実績の概要 |
本研究は「満洲国」で行われたラジオ放送の番組内容を対象とする。主に文献調査を通して、放送内容の一根幹をなしていた文学、演劇、映画、音楽などの文化芸術ジャンルとの関連性に注目し、「満洲国」のラジオ放送における文化的コンテンツの全体像描出を目指す。具体的な作業として、日中双言語の新聞、雑誌などの文献からラジオ番組欄を抽出し、文学(放送小説など)・演劇(伝統戯曲、ラジオドラマなど)・映画(映画放送劇)・音楽(民族音楽、レコードなど)に関わる内容について分析・考察を行う。各地放送局の番組欄データベースを構築し、それに基づき言語ごとにジャンル別の放送内容について、放送状況、放送内容の構成及び変遷、放送の性格を分析する。網羅的に放送の番組内容を検証するために、地域ごとに主要新聞である『満洲日日新聞』『大同報』(新京)『泰東日報』・『満洲報』(大連)『盛京時報』(奉天)『濱江日報』・『濱江時報』(ハルビン)を対象としている。なお中国語新聞はそれぞれ欠落する部分が多く見られるので、必要に応じて調査と収集の作業を行う。 2022年度は『満洲日日新聞』『満洲日報』『電電』など日本語新聞・雑誌を調査し、在満日本人向けのラジオ放送について資料を収集した。特にスポーツ放送、実況放送、語学講座に注目し研究を行った。その成果を20世紀メディア研究会(2022年4月、早稲田大学)、東アジアの植民主義と文学研究会年度大会(2022年9月、東京都立大学)で報告し、報告内容に基づき論文を執筆して発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルスの影響により、データの整理・入力する臨時職員の雇用が計画通りに実施できなかったほか、現地調査を一時期断念せざるを得なかったため、放送コンテンツに関する資料収集・整理は当初の計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインでの資料調査や現地研究者に依頼するなど対策を講じ、海外の状況を鑑みて可及的速やかに資料文献の調査、整理、分析作業を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究設備(マイクロフィルムリーダー)を購入したため資金の使用計画を調整した。次年度は研究計画通り、海外の現地調査及び資料収集を行う予定である。また、必要に応じて資料整理とデータ作成のための臨時職員を雇用する。
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