研究課題/領域番号 |
21K12956
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
塚田 雄一 同志社大学, 文学部, 准教授 (60780294)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | イギリス / 演劇 / 君主 |
研究実績の概要 |
本研究は、シェイクスピアおよび同時代の劇作家の作品を分析対象とし、歴代の君主がどのように初期近代の文学テクストに表象されてきたか、劇作家が君主を表象の対象にすることでテクストがどのような政治性を帯びていたのか、また彼らが君主を表象した背景にどのような政治的そして興行的な力学が働いていたのかを考察する演劇テクスト研究である。本研究では、これまでの君主表象研究およびそれに依拠した初期近代イギリス文学研究を整理し、その課題を指摘を認識した上で、君主表象に焦点を当てた演劇テクストの分析を行う。シェイクスピアのエリザベス朝期の作品をはじめ、シェイクスピアの同時代に活躍していた一群の劇作家らの作品を、君主表象の分析を切り口として新たに読み解き、それぞれの作品の解釈に新たな視座を導入するとともに、初期近代イングランドにおいて劇作家たちが当時の君主表象とどのように関わり合っていたのかを明らかにすることを目的とする。 本研究は四部構成である。第一部「歴史劇」、第二部「市民喜劇」、第三部「宮廷演劇」、第四部「悲劇」である。初年度にあたる2021年度は第一部「歴史劇」に取り組み、歴史劇に登場するイングランドおよびヨーロッパ諸国の君主表象の分析を行った。 本研究は順調に進んでいるが、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な流行のため、計画していた海外調査を実施することができなかった。2022年度以降、感染症の流行が収まり次第、海外調査を実施したいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は順調に進んでいるが、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な流行のため、計画していた海外調査を実施することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる2022年度は、本研究の第二部「市民喜劇」に取り組む。適宜、学会発表を行い、第一部と第二部に対するフィードバックを得て、議論の精度を高めたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な流行により、計画していた国内外の出張が実施できなくなった。そのため、計画していた旅費の執行を行うことができず、次年度使用額が発生することになった。2022年度、新型コロナウイルスの世界的な流行が収束した後、計画していた国内外での調査を行う予定である。
|