研究課題/領域番号 |
21K12956
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
塚田 雄一 成蹊大学, 文学部, 准教授 (60780294)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 演劇 / 初期近代イングランド |
研究実績の概要 |
本研究は、シェイクスピアおよび同時代の劇作家の作品を分析対象とし、歴代の君主がどのように初期近代の文学テクストに表象されてきたか、劇作家が君主を表象の対象にすることでテクストがどのような政治性を帯びていたのか、また彼らが君主を表象した背景にどのような政治的そして興行的な力学が働いていたのかを考察する演劇テクスト研究である。本研究では、これまでの君主表象研究およびそれに依拠した初期近代イギリス文学研究を整理し、その課題を指摘した上で、君主表象に焦点を当てた演劇テクストの分析を行う。シェイクスピアのエリザベス朝期の作品をはじめ、シェイクスピアの同時代に活躍していた一群の劇作家らの作品を、君主表象の分析を切り口として新たに読み解き、それぞれの作品の解釈に新たな視座を導入するとともに、初期近代イングランドにおいて劇作 家たちが当時の君主表象とどのように関わり合っていたのかを明らかにすることを目的とする。2023年度は第三部「悲劇」の研究を行い、ジョージ・チャップマン、ジョン・マーストン、トマス・デッカー、ジョン・フレッチャー、ベン・ジョンソン、フィリップ・マッシンジャーらの劇に登場するイングランドを含めたヨーロッパ諸国の君主表象を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は順調に進んでいるが、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な流行がまだ続いていたため、計画していた海外調査の実施を延期した。
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今後の研究の推進方策 |
ジョージ・チャップマン、ジョン・マーストン、トマス・デッカー、ジョン・フレッチャー、ベン・ジョンソン、フィ リップ・マッシンジャーらの劇に登場するイングランドを含めたヨーロッパ諸国の君主表象の分析を勧め、適宜、研究発表等を行い、フィードバックを得て、議論の精度を高めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な流行がまだ続いていたため、計画していた旅費の執行を行うことができず、次年度使用額が発生することになった。2024年度、海外での調査のための旅費として執行したいと考えている。
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