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2022 年度 実施状況報告書

音象徴を通じた短縮語形成メカニズムの実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K12995
研究機関筑波大学

研究代表者

文 昶允  筑波大学, 人文社会系, 助教 (60845030)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード短縮語 / 音象徴 / 日本語 / 韓国語 / 大きい / 小さい / 強い / 弱い
研究実績の概要

本研究では、音象徴(音が持つ特定のイメージや意味)が短縮語(例:デジタル・カメラ→デジカメ)の形成に与える影響について実験的な観点から探究する。昨年度までは、「やわらかい」と「かわいい」というイメージに焦点をあて、日本語を含め韓国語・中国語を対象とした実験を行った。その結果、①中国語と韓国語における全ての唇音が「やわらかい」「かわいい」イメージと関連づけられるわけではない、②「やわらかい」イメージに適していると判断された唇音は、中国語と韓国語、そして日本語においても「かわいい」イメージに適していると判断される傾向がある、③両唇鼻音の [m] は中国語と韓国語、そして日本語と英語において「やわらかい」「かわいい」イメージを呼び起こすことが明らかになった。今年度は、昨年度の実験結果を踏まえ、「大きい」「小さい」「強い」「弱い」という4つの対比的であるイメージを踏襲する予定である。
一方、日本語を対象としたこれまでの短縮語研究により、短縮語形の選択における世代差が明らかになっている(文2017)。しかし、短縮語の形成方法に見られる世代差は、音象徴が関与しても維持されるかについては明らかにされていない。そこで本研究では、無意味語を用いた実験検証を通して、音象徴が短縮語形成に影響する新たな要因の1つであるかどうかを解明する。本研究の成果は、従来の音韻研究に新たな知見をもたらすだけでなく、語形成を対象とする理論言語学的研究にも貢献できると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①音象徴が短縮語に与える影響について論文をまとめ投稿したが(Journal of Japanese Linguistics),審査が長引いている状態である。
②本研究では,短縮語形成に影響する要因として「音象徴」と「世代差」を取り上げる。このうち,世代差を調べるためには高年層のデータが必要であるが,新型コロナウイルスのため調査協力者の確保が難しい状態である。
以上のことから,現在までの研究はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

本年度は観察範囲を「大きい」「小さい」「強い」「弱い」に広げる。加えて,高年層を対象とした調査を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は海外学会での発表を予定していたが,新型コロナウイルスの影響で海外出張ができず旅費が使用できなかった。次年度は,これからの研究成果を国内外に発信するための出張費および出版費用などとして使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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