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2022 年度 実施状況報告書

連体節と主要部名詞の関係についての統語的・意味的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K13022
研究機関日本文理大学

研究代表者

東寺 祐亮  日本文理大学, 工学部, 准教授 (70758656)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード連体修飾節 / 主要部名詞 / スケール名詞
研究実績の概要

本研究は、連体節と主要部名詞がMerge することによって起きる意味解釈の構築を記述することで、連体節と主要部名詞の「修飾」関係を明らかにすることを目的としている。本研究では、連体節と主要部名詞の「修飾」関係として5タイプを想定しており、その観察・分析を検討するために容認性アンケート調査を実施している。2022年度は、5タイプの1つである「主要部名詞の特性が連体節の特性になっているタイプ」(例:母親は子供が図書館に行った回数を数えた。)に関する容認性アンケート調査を実施した。
調査は、Web上の容認性アンケート調査システム(EPSAシステム)で実施した。調査例文として、8パターン計68例を作成した。例文群は、分析が文法的であることを予測するものと、分析が非文法的であることを予測するものに分かれている。その例文の容認性判断を日本語母語話者およそ10名に依頼し、「どうしても許せない」「一応許せる」の二択で回答を収集した。
その結果、先行研究が指摘する容認性の分布と異なる結果が得られた。一例を挙げると、江口 (2002) では連体節の名詞句内部の名詞に焦点を当てる解釈ができないという指摘がなされているが、文脈によっては「藤田先生は、[ アシスタントの院生が [ 学生のレポート ] を回収した ] 人数を確認した。」という文で、「藤田先生は、アシスタントの院生が学生のレポートを回収したときの、その学生の人数を確認した」という解釈を容認する話者がいることがわかった。
本調査により、「主要部名詞の特性が連体節の特性になっているタイプ」の連体節内のどの名詞に焦点が当たりうるのかを再検討する必要があることが明らかになった。
参照文献
江口正 (2002) 「遊離数量詞の関係節化」『福岡大学人文論叢』第33巻第4号, pp.1-21.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2021年度に本研究の土台となった度合いを表わす構文の連体節・引用節・疑問節に関する調査を実施したため、連体節に関する研究が遅れている。また、2022年度は2021年度に予定していた「主要部名詞の特性が連体節の特性になっているタイプ」の容認性アンケート調査を行ったものの、アンケート結果が先行研究や申請者のこれまでの研究と異なる容認性の分布を示したため、観察・分析の検討に時間を要している。

今後の研究の推進方策

2023年度は次の調査を計画している。
・「主要部名詞の特性が連体節の特性になっているタイプ」(例:母親は子供が図書館に行った回数を数えた。)の容認性アンケート調査(再調査)
・「連体節主要部の特性をもとに新しいモノを作るタイプ」(例:母親は子供が絵を描いている横で本を読んだ。)の容認性アンケート調査
上記2点の調査を踏まえ、連体節の観察・分析を再検討し、提案を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] VバVホド構文の容認性調査報告2022

    • 著者名/発表者名
      東寺祐亮
    • 学会等名
      筑紫日本語研究会

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公開日: 2023-12-25  

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