研究課題/領域番号 |
21K13030
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
高木 留美 福岡大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90783100)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 島 / 島の修復効果 / 音韻的削除 / 関係節 / 当語的違反 |
研究実績の概要 |
今年度は、島の修復効果について、昨年度と同様データ収集を行い、分析を試みた。 2022年8月末まで育児休業を取得していたため、実際の研究機関は9月1日から3月31日までである。主に、以下の2点ついてデータの収集を行った。 (a) 初年度に引き続き、島の修復効果に関する先行文献を収集し、スプレッドシートのデータとして作成した。また、島の修復効果の例を作成し、インフォーマントによる文判断も行った。なお、先行研究のデータ収集に関しては、主に大学の所有する文献や雑誌等から抜粋したため、新たに本を購入するには至っていない。 (b) 島だけではなく、省略による他の統語的違反の修復について、スルーシングの場合と 同様、修復効果が見られるかどうかを検証した。これについてはデータが少ないことから、インフォーマントによる調査を行った。ただし、人によって文法性判断に大きな差異が見られたため、文判断に使用するデータを作り直す必要があると思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は、8月31日まで育児休業を取得したため、当初の計画は予定通り進めることができなかった。また、9月以降も授業(準備)や育児に時間を割いたため、計画通りにデータ収集や分析を行うことができずに、論文執筆や学会発表にも至ることはなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、以下の(a), (b), (c)を行い、その後、理論分析を行う。 (a) 引き続き、島の修復効果に関する先行文献を収集し、データや先行研究をまとめる。また必要に応じて、インフォーマントによる文判断も行う。 (b) 失文法症の省略データについてこれまでの先行研究や文献を収集し、残留要素の移動と省略データの容認度の間に相関関係が見られるかを観察する。 (c) 島だけではなく、省略による他の統語的違反の修復について、スルーシングの場合と同様、修復効果が見られるかどうかを検証する。データが少ないことが予測されるので、同時にインフォーマントからのデータも収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は8月31日まで育児休業を取得したため、引き続き研究を中断せざるを得ず、当初計画していた計画通りに研究が進められなかったこと、また、コロナ禍であったことや育児中であったため、計画していた学会等にも参加できず、次年度使用額が生じた。2023年度は研究に必要なパソコンや本の購入を行うことを計画している。また、学会への参加も行う予定である。
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