研究課題/領域番号 |
21K13051
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
木村 大輔 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (00825523)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 英語を軸とした多言語コミュニケーション / マルチモーダルな相互行為 / 学習を目的とした自由会話 / グローバル化 / Translanguaging |
研究実績の概要 |
2021年度はConversation-for-Learning (教室外で行われる言語学習を目的とした自由会話)に関する文献調査と学会参加を通じて最新の研究動向を探ることに注力し、関連分野での発表・執筆・出版も行った。これらを通じて、研究動向についての理解が深まったとともに、研究者からのフィードバックも得られ、自身の研究のさらなる発展の足がかりを築くことができた。
また、AILA World Congress of Applied Linguisticsのコロキウムへの参加・発表では、近年の応用言語学で重要視されている、「Complex Dynamic Systems Theory 複雑動的システム理論」や「Translanguaging 超言語行動」の知見を学ぶことができ、自身の研究内容との関連性を議論することで、より具体的かつタイムリーな学術的貢献をするための素地を形成することができた。現在、被査読中の学術書のチャプターでは、これらの知見をもとに「言語運用能力」の研究概念としての変遷と発展について論じている(Routledge Handbook of Discourse and Second Language Acquisition)。
一方、2021年度に並行して行う予定であったデータ収集に関しては、東京工業大学での研究倫理審査は通過したものの、諸々の検討の末1年程度延期することとした。本研究の重要な焦点はマルチモーダル(発話だけではなく、ジェスチャーや表情などを加味した複合・多層的)な相互行為の分析であるため、対面実施の可能性がある2022年度に行うことが望ましいと判断したためである。また、研究代表者が2022年度から早稲田大学への異動することが2021年7月頃に内定していたことも、通時的データ収集延期の要因の一つとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に行う予定であったデータ収集を2022年度に延期したため、研究の進行に若干の遅れが生じている。しかし、関連分野での執筆・発表などは継続して行っており、これらを通じてデータ分析の学術的な準備が整ってきているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
早稲田大学での学内倫理審査を早急に済ませデータ収集にとりかかかるとともに、執筆・発表などと並行して行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集を延期したため、機材の購入費用、参加者への謝金の支払いが発生しなかったため、2021年度への繰越しが必要となった。また、コロナ禍で学会への対面参加がなかったため、旅費についても余剰が発生した。
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