研究課題/領域番号 |
21K13051
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
木村 大輔 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (00825523)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 会話分析 / 異文化コミュニケーション / リンガ・フランカとしての英語 / ランゲージ・エクスチェンジ / Decoloniality |
研究実績の概要 |
本年度は、データ収集、分析、研究発表(ジャーナル論文・口頭発表)に注力した。それぞれの概要は以下の通りである。 ①やりとりの録画:会話における自然発生的な多言語・非言語リソースの使用、および相互行為中のアイデンティ構築の分析をするため、日本人学生と留学生間の自由会話のビデオ録画を行った。 ②インタビュー:参加学生の主観的な経験について掘り下げるため、参加者とのインタビューを行った。フォーカスグループインタビュー(座談会)の形式を取り、データ収集の中期、後期の計2度、それぞれのグループと話し合いの機会を持った。 ③実際のやり取りの振り返り(stimulated-recall sessions) :実際のやり取りの映像を見ながら特定の場面での言語使用について感じたことなどの共有をしてもらうことで、参加者の主観と客観的な分析の融合目指した。上記のフォーカスグループインタビューのうち、中期、後期の計2度において実施した。 ④データ分析:実際のやり取りの定性的分析にとりかかった。今年度は、分析の初期段階であるため、データの全体像を掴み、理論的な枠組みに鑑みて興味深い場面の選定に注力した。来年度はより精緻な分析を行うことで、分野への貢献と言語教育への還元を目指す。 ⑤ジャーナル論文・口頭発表:論文の執筆・口頭発表を通じて、関連する分野の動向や理論的枠組みに関する理解を進化させ、研究についてのフィードバックを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度の遅れが影響しているため、全体的な進捗は若干後ろ倒しになっている。本年度に関して言えば、概ね計画どおりの進捗具合である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータ分析を進めるとともに、分析内容を用いた学術的貢献と最新の研究動向の把握のために学会参加・発表を積極的に行う。恒久的な貢献をするためにインパクトの高い学術論文の執筆に取り組む。それと並行して、言語教育へ還元を目指し、分析内容を用いてディスカッション用の視聴覚資料の作成を行い、インターネット上やワークショップを通じて広く公開する。また、研究内容と言語教育への応用の書籍化にも取り組み、社会への広い波及効果を生むことを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で、学会渡航が一度もなかったことが主な理由である。次年度からは、対面での学会参加や研究者の招聘などで予算を使用する予定である。
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