研究課題
若手研究
太平天国は、キリスト教(プロテスタント)の思想に着想を得た洪秀全が上帝会(拝上帝会)を結成し、中国内陸部で勢力を拡大し、1851年に反清朝の武装蜂起に至った。そして南京を占領したのち、1864年の南京陥落に至るまで中国を混乱に陥れた。本研究では、中国に滞在していたプロテスタント宣教師がこの時期に発生した反乱をどのように情報を分析していたか、もしくは、太平天国滅亡後にどのような認識を抱いていたかを分析することを主眼とした。
中国史
プロテスタント宣教師が太平天国をいかに認識していたのかは、若干の先行研究が存在する。しかし、太平天国の勢力が変遷する中で、どのように認識を変化させていたのか、もしくは大変天国崩壊後に、その歴史的性格にどのような評価を下したのか、という観点では史料を用いた実証的な研究はそれほど多くない。それゆえ、本研究課題を通じて、これまで個別に存在していた中国近現代史と欧米のプロテスタント宣教師の視点を交錯させることができるのではないかと考えている。