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2022 年度 実施状況報告書

桐油を結合材とした線刻を施せるほど堅固な塗料の製造技術の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K13143
研究機関明治大学

研究代表者

永井 義隆  明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (40880620)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード乾性油 / 桐油 / 豚血 / 塗料 / 伝世資料
研究実績の概要

2022年度ではまずモデル試料作製について物性の再現性の確認や光沢度、乾燥時間等の物性に関わる因子特定のために、異なる混合比で複数種類のモデル試料を作製した。物性の再現性については低い傾向にあることが確認された。原因としては材料として用いている豚血の劣化や各材料の混錬具合、温度や湿度等の乾燥条件などが考えられる。物性に関しては豚血を異なる混合比で試料を作製することで、比較的低濃度では光沢度が向上するが、比較的高濃度では光沢度が低下することが確認された。モデル試料の物性に関わる因子を特定するためには様々な混合比で材料を混錬、乾燥条件を均一化し、モデル試料を作製する必要がある。
モデル試料作製条件の検討と並行して、前年度に作製したモデル試料に対してクロスセクション分析による断面観察を行った。煮桐油と鉛丹のモデル試料では塗膜内で鉛丹の分布に偏りが生じたが、煮桐油と鉛丹に豚血を混合したモデル試料では鉛丹が塗膜内に均一に分布していることが観察された。したがって、豚血が塗膜内での鉛丹の分散性に作用している可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

作製したモデル試料の物性が各試行毎に異なっており、一定の物性を保てる作製条件の検討が再度必要となったため当初の予定よりも遅れている。

今後の研究の推進方策

モデル試料作製条件の最適化が完了次第種々の分析評価を行い、モデル試料と伝世資料の分析結果の比較を行っていく予定である。また、モデル試料作製条件の検討によって様々な条件のモデル試料を入手できるため、それらを総合的に分析することで物性に関する因子や塗膜の化学構造に関する情報を調査していきたい。また、2021および2022年度の分析結果について学会発表を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

モデル試料の作製条件の検討が再度必要となったため、各種分析評価で使用する予定であった消耗品等を使用しなかった。その結果、それらの物品費が次年度へ繰り越しとなった。また、同理由により学会への参加を中止したため、旅費等に計上していた使用金額は繰り越しとなった。

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公開日: 2023-12-25  

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