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2022 年度 実施状況報告書

流入負荷を考慮した塩湖の化学的動態および水質形成年代の復元

研究課題

研究課題/領域番号 21K13150
研究機関京都大学

研究代表者

齋藤 圭  京都大学, 理学研究科, 研究員 (20882765)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード塩湖 / 珪藻分類分析 / 中央アジア / イシク湖 / 地球化学解析
研究実績の概要

塩湖に関する研究を進めることは,人間活動と密接に結びつく他地域の淡水湖とその環境変動に関するレスポンスを比較する上で重要である。塩湖研究の更なる発展には,多様な水質を有する世界各地の塩湖において,“流入水の水質と塩湖の水質の関係”を体系的に整理し,定量的に把握していく必要がある。そこで本研究では,中央アジア,キルギス共和国に在る塩湖・イシク湖を対象に,当湖における塩分濃度増加の一因である温泉水を考慮した物質収支モデルの構築を目指す。
2022年度は研究実施計画の段階では現地調査を行う予定であったが,新型コロナウィルスの流行により,調査が困難であった。そこで,過去に湖岸にて採取した砂を用いて,現世の珪藻分類分析を行った。また,イシク湖に代わる日本国内で湖と温泉の混合現象を調査出来る地域として,湖に温泉水が流入している北海道・然別湖にて水質調査を行い,地球化学コード・PHREEQCを用いた熱水と河川水の混合シュミレーション,炭酸ガスの水への溶解による鉱物との反応について,それぞれ解析を行った。結果として,珪藻化石分類分析では現世のイシク湖では汽水生・淡水生の珪藻が混在していることが明らかとなった。また,然別湖での地球化学シミュレーションでは,熱水に含まれるNaClの他,ガスの影響による湖水中での鉱物との反応が示唆された。今後はイシク湖での現地調査を目指し,今年度に得られた知見を用いて研究を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルスの影響により,現地調査が困難であったことから,日本国内の別のフィールドでの予察調査がメインであった。しかし,今年度の活動はイシク湖での珪藻カタログの作成と地球化学コードソフトの理解促進につながり,次年度の現地調査開始に向けた経験として,大いに役立つものであった。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルスの影響が低下したことにより,研究開始当初よりも現地調査に行きやすくなった。今年度は現地調査を中心として,周辺河川・地下水(温泉含),そして湖における水の同位体分析を目指す。また,簡易ボーリング調査機材を用いてイシク湖の湖岸における地下1m程度までの地層サンプルを採取する予定である。そして最後に,湖岸水域における地下水湧出のための曳航観測調査を実施していきたい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響により現地調査が困難であったため。
次年度では新型コロナウィルスの影響が低下していることを顧みて,現地調査を開始する予定であり,今年度分はそれに充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 北海道・然別湖における湖底水質の形成メカニズム2022

    • 著者名/発表者名
      齋藤圭,長谷川祥樹,大八木英夫
    • 学会等名
      陸水物理学会

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公開日: 2023-12-25  

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