研究課題/領域番号 |
21K13169
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐本 英規 筑波大学, 人文社会系, 助教 (60822749)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 音楽人類学 / 音楽社会学 / 関係論 / 音楽社会論 / ソロモン諸島 |
研究実績の概要 |
当初計画では令和3年度中にソロモン諸島またはオーストラリアでの現地調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行のためにやむを得ず中止した。そのため計画を変更し、令和3年度はもっぱら本研究課題に関わる音楽人類学・音楽社会学・オセアニア研究などの文献を渉猟すると共に、理論的課題に関する文献研究を集中的に実施した。特に、本研究の主要な理論的枠組みのひとつとなっている近年の関係論的な音楽社会論に関して、フランスの音楽社会学であるアントワーヌ・エニオン、イギリスの音楽社会学者ティア・デノーラ、イギリスの音楽人類学であるジョージナ・ボーンらの著作を網羅的に精査する作業に着手し、一定の成果を得た。その際、日本国内で研究活動をおこなう若手研究者と同テーマに関するオンライン研究会やオンライン読書会を継続的に実施した。そうした研究会活動によって培われた若手研究者間のネットワークは、本研究課題を発展させた新規共同研究の構想につながっている。また、上記の理論的課題についての文献研究を踏まえて、過去の民族誌データの再検討を進め、論文としてまとめた。加えて、令和4年度以降の現地調査に向けて、また、引き続きソロモン諸島への入国が困難となる可能性を見越して、オーストラリア在住のソロモン諸島出身者、日本在住のソロモン諸島出身者への接触を進め、本研究課題における新たな調査対象とする可能性を探った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため、現地調査を実施することが困難であった。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度に実施した理論的課題に関する文献研究を継続すると共に、現地調査の実施する。ただし、医療インフラが脆弱であり、新型コロナウイルス感染症流行への厳しい警戒が続いているソロモン諸島において、現地調査を実施することは引き続き困難となる可能性がある。そうした場合を見越して、オーストラリア在住のソロモン諸島出身者や日本在住のソロモン出身者を対象とした調査を実施するための準備を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため予定していた現地調査が困難であったため。令和4年度は、令和3年度に実施した理論的課題に関する文献研究を継続すると共に、ソロモン諸島における現地調査を実施する計画であり、そのための文献購入費および調査旅費として使用する。ただし、ソロモン諸島における現地調査が引き続き困難となった場合、オーストラリア在住のソロモン諸島出身者や日本在住のソロモン諸島出身者を対象とした調査を実施するための準備を進め、そのための調査旅費として使用する。
|