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2021 年度 実施状況報告書

アフリカにおけるキリスト教信仰覚醒の人類学的研究:南スーダンを事例として

研究課題

研究課題/領域番号 21K13171
研究機関盛岡大学

研究代表者

飛内 悠子  盛岡大学, 文学部, 准教授 (40773411)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードキリスト教 / 南スーダン / アフリカ / 信仰覚醒 / ウガンダ
研究実績の概要

2021年度もコロナ禍の影響により現地調査を行うことが難しかったため、文献調査の成果公表に従事した。人類学におけるキリスト教についての研究を整理し、その意義と今後の展望について論じた論文を公刊した。そこでは、キリスト教が主に欧米の人類学者にとって「不快な他者」であったことにより「雑音」とされてきたこと、そしてその状況を変えようとする動きがみられるが、まだ発展途上にあるということ、そしてその発展に非西洋の人類学者が貢献できる可能性が高いことが示された。これにより本研究の人類学における位置づけを行うことが可能となった。さらにこれまで収集したアーカイブ資料を整理し、南スーダンとウガンダにまたがる教区の概略を明らかにする論文を執筆した。植民地期のキリスト教宣教師団が2つ以上の国家を含む教区を設立することはあったが、それぞれの領地の一部を切り取る形で教区を設置することは珍しい。その1事例となった英国教会宣教教会アッパーナイル教区が、宣教師団独自の意向により設立され、だがその運営にあたっては植民地政府との関係を考慮せざるを得なかったこと、そして二つの国家にまたがる教区の運営が困難であったため、最終的に分割をせざるを得なかったこと、そして分割にあたっては、各教区がそれぞれの教区の運営の都合を国家との関わりから鑑み、議論したという歴史を明らかにすることを通し、宣教師団と植民地政府との関係の一端を提示することを試みた。論文は学会誌に投稿済みである。
また、信仰覚醒に関わる教派のデジタルアーカイブを確認し、信仰覚醒に関わる用語の使用方法等を確認した。だが、教派ごとの関連用語の意味の違い等を明らかにするまでには至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度に予定していた文献調査が順調に進んだため。

今後の研究の推進方策

今後もデジタルアーカイブの調査を進める。また文献調査の成果を踏まえ、現地調査を行う。場所は当初の予定を変更し、ウガンダの首都カンパラと、北部ウガンダにおいて行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

デジタルアーカイブを使い、アーカイブからコピー取り寄せを行わなかったために予定していた支出額より少なくなった。次年度はアーカイブからのコピー取り寄せを行う。あるいは調査地での資料複写、購入料とする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 攪乱者としてのキリスト教:『キリスト教の人類学』と近代2021

    • 著者名/発表者名
      飛内悠子
    • 雑誌名

      文化人類学

      巻: 86(1) ページ: 115-126

  • [学会発表] 第2次スーダン内戦後における南スーダン人のウガンダからの『帰還 』について :クク人を事例に2021

    • 著者名/発表者名
      飛内悠子
    • 学会等名
      日本アフリカ学会第58回学術大会
  • [学会発表] アフリカにおける移住に関する一考察:クク人の南スーダンとウガンダにおける移動を事例にして2021

    • 著者名/発表者名
      飛内悠子
    • 学会等名
      日本アフリカ学会第一回東北支部会

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公開日: 2022-12-28  

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