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2023 年度 実績報告書

「機能的自治」と「地方自治」の相互補完可能性についての法規範的検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K13181
研究機関広島修道大学

研究代表者

門脇 美恵  広島修道大学, 法学部, 教授 (70761899)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード機能的自治 / 領域的自治 / 地方自治 / 社会的自治 / 公的医療保険における自治 / 地方制度調査会
研究実績の概要

(1)第33次地方制度調査会の審議動向の分析・検討:昨年度より継続している地方制度調査会の審議動向の分析・検討を引き続き行った。2023年度第1回地方分権研究会(自治労連・地方自治問題研究機構主催:10月29日開催)において、第33次地方制度調査会第20回専門小委員会において提出された答申素案(10月23日)を批判的に検討する報告を行った。これを踏まえて、この間の成果を拙稿「この間の地方制度調査会の議論についての問題点」にまとめた。
(2)領域的自治の実践の分析・検討:地域づくり研究会(東海自治体問題研究所)において、東海地方の市町村における自治基本条例を軸とした住民自治によるまちづくりを調査・研究し、その成果を拙稿「自治基本条例の可能性」にまとめた。
(3)機能的自治と領域的自治の接合に関する分析・検討:いわゆる「マイナ保険証」導入に伴う現行保険証廃止問題をめぐり、国保保険者である地方公共団体とりわけ市町村の議会からこれに反対する意見書が多く提出されていることに着目し、国保保険者においては機能的自治と領域的自治とが接合し、その結果、市町村の「保険者としての自治」が活性化したという仮説を、拙稿「マイナ保険証と『保険者の自治』」において示した。
(4)機能的自治の民主的正統化論の検討:機能的自治と民主政原理との関係についての理論的分析を進めるために、公的医療保険の保険者の連合と給付提供者の連合との間で行われる「共同自治」と呼ばれる重層的な自治構造を検討した。その結果、「共同自治」の民主的正統化の構造は、典型的な機能的自治モデルのそれからも逸脱することが明らかになり、行政の多元化・分節化・独立化といった伝統的な特徴をもつドイツ行政においては民主的正統化論もさらに多様化する可能性を、拙稿「ドイツ疾病保険の多層的自治構造における『共同自治』の民主的正統化に関する一考察」において示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] この間の地方制度調査会の議論についての問題点2024

    • 著者名/発表者名
      門脇美恵
    • 雑誌名

      デジタル 自治と分権

      巻: 1号・通巻95号 ページ: -

    • オープンアクセス
  • [図書] 地方自治をめぐる規範的秩序の生成と発展2024

    • 著者名/発表者名
      榊原 秀訓 ・本多 滝夫(編著)ほか14名
    • 総ページ数
      376
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52705-8
  • [図書] 自治基本条例を軸とした、参加と協働の地域づくりの課題と展望2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木誠, 菊本舞, 門脇美恵, 島田善規, 豊福祐二, 小木曽洋司, 水島竣木, 前澤このみ, 中田實
    • 総ページ数
      82
    • 出版者
      東海自治体問題研究所
  • [図書] マイナンバーカードの「利活用」と自治  主権者置き去りの「マイナ保険証」「市民カード」化2023

    • 著者名/発表者名
      稲葉 一将, 岡田 章宏, 門脇 美恵, 神田 敏史, 長谷川 薫, 松山 洋, 森脇 ひさき
    • 総ページ数
      136
    • 出版者
      自治体問題研究所
    • ISBN
      978-4-88037-758-2

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公開日: 2024-12-25  

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