軍事行動の対象の性質によって求められる予防措置の内容が異なることを明らかにしたという本研究の成果は、同時に第一追加議定書57条1項の規定する軍事行動に適用される予防措置をとる義務の内容にさらなる広がりのある可能性を明らかにした。このことは、同義務について、第一追加議定書57条2項以下に列挙された準則的な義務以外にも、取られなければならない予防措置がありうることを明確にした点で、今後の同義務の研究に資するとともに、実際の軍事行動における同義務の履行にあたっての考慮事項のさらなる広がりを示唆するものである。
|