本研究では、「基本的人権を保障しながら、自国を守るための情報を適切に収集する諜報機関の法的統制は、日本においてどのように実現されうるのか?」という問いに対して、比較法研究及び国内裁判例の判例評釈を中心とした研究を行った。 具体的には、EU各国及びイギリスを対象とした諜報機関法制の鳥瞰的比較研究を行い、専門的第三者機関による諜報機関統制の重要性について実証する論文を発表した。更にこれを発展させ、秘密的な情報収集活動を伴う諜報機関の基本的人権保障のための統制という困難を克服しようとする諜報機関法制研究の手法や知見を、日本における警察活動に関する訴訟などの具体的な裁判例の分析に活かす試みを実践した。
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