研究課題/領域番号 |
21K13226
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
奥田 恒 金沢大学, 経済学経営学系, 講師 (80882571)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 政策デザイン / 政策と規範 / 政策目的 / 政策手段 / 政策学習 / エビデンスにもとづく政策作成 / イデオロギー |
研究実績の概要 |
本研究は、政策デザインをはじめとする政策研究の諸理論が、政策目的・政策規範をどのように位置づける(べき)かを主たるテーマとしている。本年度の研究は、上記課題に対し下記三点から取り組むものであった。第一に、政策デザイン論の主要理論と規範的判断の関係の検討である。これまでの主要な政策デザイン論の整理に基づき、「政策と規範」という問題領域に取り組むための理論的彫琢を行っている。本テーマは研究全体の根幹をなすものであり、令和4年度以降も引き続き発展させていく予定である。第二に、政策研究における規範的判断に対し、イデオロギー分析の視角から整理・評価を行うアプローチを検討、提案した。この研究は、ベーシック・インカムをおもな題材として展開された。第三に、「エビデンスにもとづく政策作成(EBPM)」を題材に取り上げ、その研究・実践が、規範的判断をともなう政策デザインとどのように接続しうるかを検討した。 その成果の一部は下記のかたちで発表されている。「「ユートピア」の観点から見たベーシック・インカム諸構想 」(日本公共政策学会研究大会での報告)、"EBPM and Planning" (第五回国際公共政策学会研究大会(The fifth International Conference on Public Policy)での共同報告)、「政策デザイン論における合理性と受容可能性」(日本公共政策学会関西支部第70回例会での報告)、「政策とユートピア」(『ユートピアのアクチュアリティ』晃洋書房に収録された分担執筆)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、政策デザインをはじめとする政策研究の諸理論が、政策目的・政策規範をどのように位置づける(べき)かを主としている。本年度の課題は、上記課題に対し、特に理論的な観点からアプローチすることであった。その課題は、特に、「政策デザイン論の主要理論と規範的判断の関係の検討」を中心として行われた。加えて、本年度には、「政策と規範」研究をより具体的な政策課題と接続する研究も展開できた。特に、申請時点では本年度に国際学会報告は予定されていなかったが、感染症問題にともなう国際学会のオンライン化によって報告を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度には、本年度に進められた理論的研究をひきつづき拡充し発表を行う。それに加え、2010年度以降英語圏で発表された「政策デザイン論」を幅広く渉猟し、研究動向を把握しつつ「政策と規範」分野との接続可能性を探っていく。ただし、国際学会での発表を、令和4年度に行うことができるかは未定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
書籍代等に満たない額の残予算を使用できなかった。次年度の使用計画に変更はない。
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