研究実績の概要 |
本研究は、「政策デザイン論」と称される諸理論が、政策目的・政策規範をどのように位置づける(べき)かを主題とする。最終年度の課題は、前年度までの成果を踏まえて政策デザイン論が有する規範や規範的判断の契機を明らかにし検討することである。 この課題に対し、以下三点のアプローチで取り組んだ。すなわち、①ウィキッド・プロブレム研究の観点から政策デザイン論の取り組みを補う議論、②規範理論研究の観点から政策デザインへの指針を得る議論、③より政策実践に焦点を当てることで政策デザイン論への理論的洞察を得る議論、である。最終年度に取り組み公表された研究成果でもあり、上記①~③の複数のアプローチを融合する成果が含まれる。 公表された成果として、以下が挙げられる。英語論文集への分担執筆"Dealing with “Wickedness” in Long-Term Problem-Solving"(Governance for a Sustainable Future: The State of the Art in Japan, Springer収録)、日本語論文集への分担執筆「政治的思考・政策的思考と政策デザイン――エビデンスに基づく政策形成(EBPM)のための思考様式」(『政治における法と政策』勁草書房収録)、査読付学会誌への掲載「受入自治体から見た地域外関係者の定式化とその政策的含意 ―移動する人々を把握し働きかける政策デザインの構想―」(『政策情報学会誌』第17巻1号掲載)。 加えて、日本公共政策学会研究大会(於コラッセふくしま)での研究報告、『公共政策学事典』丸善出版への項目執筆(計8項目、共著を含む)を行った。
|