研究課題/領域番号 |
21K13227
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
横山 智哉 金沢大学, 法学系, 講師 (20806153)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 政党キュー / ヒューリスティクス / イデオロギー / 党派性 / ワクチン忌避 / サーベイ実験 / 実験政治学 |
研究実績の概要 |
本研究の全体の目的は、有権者が保有する政治情報の不足を補い、効率的な政策選好形成や政治的意思決定を促す手がかりとしての「キュー」の効果を実証することである。2022年度は、昨年度に検討した実験デザインに基づき、特に政党キューの因果効果、およびその効果の異質性に着目するサーベイ実験を実施した。 その結果、特に新型コロナウイルス(COVID-19)などに代表される感染症をテーマとしたサーベイ実験では、ワクチンに対する態度や接種意図などに与える政党キューの効果は限定的である可能性が示唆された。また効果の異質性を検証するために、回答者の党派性を考慮した分析を実施したが、上述の結果と同様のものが得られた。一方で、これまでの研究結果(Kobayashi and Yokoyama 2018; Yokoyama and Kobayashi 2019)と同じく、政党キューは別のキューと組み合わせることにより、ヒューリスティクスとしての役割を果たす可能性が明らかとなった。 次に、上記の研究知見に基づき論文を執筆した上で、日本政治学会研究大会を含む複数の学会や研究会で口頭報告を行った。そして、討論者や参加者との議論を通じて、論文内の分析や議論の問題点などが明らかとなった。したがって、新たに考慮するべき共変量を組み込んだ分析をやり直すことで上記の問題点に対処し、その結果を反映した国際誌への投稿用論文を作成している。今後は、英文校正が終わり次第、適宜投稿を行う予定である。 以上の研究業績に基づき、2023年度は日本の政治的文脈において政治リーダーキューの因果効果を検証する実験デザイン案を考案し、予備実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度では、予定していた政党キューの因果効果を検証するサーベイ実験を実施し、得られた実証結果についても複数の学会や研究会で報告することができた。また2023年度に行う予備実験に関しても実験参加者の確保はすでに行っており、実験デザイン案が確定したら、すぐに実験を実施することが可能である。したがって、本研究計画はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度で実施したサーベイ実験の知見を踏まえて、今後の研究では政治リーダーキューが有権者の政策選好に与える因果効果、およびその異質性を検証する効果的な実験デザインを考案する。その際に必要があれば、予備実験を複数回行うことで、考案した実験デザインの妥当性やこれまで得られた実験結果の追試を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、本来、現地参加する予定だった国際学会がオンライン開催へと切り替わり、その分の旅費を使用することができなかった。ただし、2023年においては国際学会での口頭報告もアクセプトされており、そのための旅費として利用する。したがって、使用計画は円滑に遂行される。
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