| 研究課題/領域番号 |
21K13229
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| 研究機関 | 神戸大学 |
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研究代表者 |
重村 壮平 神戸大学, 法学研究科, 助手 (40888020)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 選挙制度 / 投票環境 / 投票参加 / 政治情報 / サーベイ実験 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は，有権者の情報処理メカニズムに着目して，選挙制度が投票参加に与える影響を明らかにすることである．2022年度は，（１）選挙結果を収集・整理した上で，サーベイ実験で提示する投票環境を検討すること，（２）これまでに実施した予備調査等の知見を踏まえて，実験デザインに改良を加え，調査を実施すること等を計画していた．（２）については，研究を遂行する過程で得られた知見を活用するために，新しく論点を加え，計画を一部修正した．具体的な研究実績は，下記の通りである．
（１）選挙結果の収集・整理等においては，選挙制度ごとに投票環境の特徴を捉え，その特徴をサーベイ実験の設計に活かすことを試みた．具体的には，選挙制度の変更が行われ，その前後の選挙結果を長期にわたり収集可能である選挙区域を調査し，抽出した．その後，選挙制度ごとに，投票環境がどのような特徴を有するのかを検討した．
（２）実験の設計・実施については，当初の計画を修正した．学会・研究会への参加，文献の調査等を通して，当初の研究計画に，いくつかの論点を加えることで，より妥当性の高い検証を行えると考えたからである．とりわけ重要だと考えられるのは，投票参加の有無や投票意欲の測定方法に関する論点である．そこで，投票参加の実態に迫るために，先行研究の動向を踏まえて，質問の文言に工夫を施し，アンケート調査を実施した．その後，投票参加の測定方法の妥当性等について得られた知見を整理し，今後実施する実験への適用可能性を検討した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は，投票環境の特徴を選挙制度ごとに分類するために，選挙結果を収集・整理した．さらに，当初の計画に，投票参加の有無や参加意識の測定方法に関する論点を加えた．本研究の目的に鑑みれば，投票参加等の測定方法を検討することは重要な課題であり，その解決を図ることで，より妥当性の高い検証を行えるはずである．以上より，2022年度は，2021年度に得られた知見を踏まえつつ，新しい論点を加え，研究を推進できた．一方で，研究計画を一部修正したため，その点を考慮して「やや遅れている」と評価した．
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は，実験デザイン等の検討を重ねた上で，当初計画していたアンケート調査を実施する予定である．さらに，実験の分析結果と実際の投票結果を比較することで，有権者が投票参加に至るまでのメカニズムについても検討を加えたいと考えている．最後に，選挙制度と有権者の情報処理の関係，有権者の情報処理と投票参加の関係等について，得られた知見をまとめる予定である．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究の目的を達成するために，当初の計画に新しい論点を加え，調査を設計することとし，全体の計画を一部修正した．さらに，新型コロナウイルスの影響により，予定していた出張を一部見送らざるを得なかった．これらを理由に，次年度使用額が生じた．次年度に繰り越した予算は，アンケート調査等を実施し，執行する予定である．
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