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2023 年度 実績報告書

コミュニティ・オーガナイジングと参加デモクラシー理論の再構成

研究課題

研究課題/領域番号 21K13231
研究機関福岡女子大学

研究代表者

石神 圭子  福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (20640866)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードコミュニティ・オーガナイジング / 社会運動 / NPO / 地方自治
研究実績の概要

本年度は、テキサス州エル・パソでのフィールドワークの結果をまとめ、学会報告を行って成果を公表した。具体的には、コミュニティ・オーガナイジングにおけるオーガナイザーの役割、そして組織構造の特徴を明らかにするため、多くの関係者にインタビューを行い、質的調査ソフトを用いてデータ処理を行った。研究期間全体を通じ、現代デモクラシー理論のなかにコミュニティ・オーガナイジングというローカルな活動を位置付けることの困難と、実践に見られた興味深い特徴が示された。政党や利益集団といったフォーマルな組織ではなく、NPOという組織形態をとる以上、とりわけ選挙政治との距離は近くない。また、政府からの資金の流れはなく、ほとんどが教会、労働組合、PTAなどからの寄付や会費で運営され、オーガナイザーの給与もそこから拠出されているため、オーガナイザーには地域住民のニーズを汲み取り、信頼と寄付、会費を集めるインセンティブが働く。また、オーガナイザー間には成果主義が徹底しており、必ずしも強靭なヴォランティア精神、変革志向性、平等な発言権といった社会運動全般に前提とされる条件はコミュニティ・オーガニゼーションには当てはまらなかった。むしろオーガナイザーを「エリート」とみなし、地域住民をフォロワーとして「民主的リーダーシップの逆説」を指摘する方が、実践に即していると結論付けられた。他方、先行研究において重要視されつつある教会(宗教)とオーガナイジングの関係性については、理論面・実証面においても十分に議論し、問題提起することができなかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 参加を仕組む――アメリカのコミュニティ・オーガナイジングの組織運営及び動員過程2024

    • 著者名/発表者名
      石神圭子
    • 雑誌名

      国際社会研究

      巻: 13 ページ: 59, 84

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 日常を組織化することの政治性――アメリカにおけるコミュニティ・オーガナイジングの動員過程2023

    • 著者名/発表者名
      石神圭子
    • 学会等名
      日本アメリカ学会分科会
  • [学会発表] コミュニティ・オーガナイジングはいかにして「つながり」を創出・切断するのか――オーガナイザーが介入する市民社会とは2023

    • 著者名/発表者名
      石神圭子
    • 学会等名
      日本NPO学会
  • [学会発表] 参加を仕組むーーアメリカのコミュニティ・オーガナイジングの組織運営及び動員過程2023

    • 著者名/発表者名
      石神圭子
    • 学会等名
      日本政治学会
  • [図書] コミュニティ・オーガナイジングの理論と実践2023

    • 著者名/発表者名
      室田 信一、石神 圭子、竹端 寛
    • 総ページ数
      278
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      4641174865

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公開日: 2024-12-25  

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