本研究は、アメリカにおけるコミュニティ・オーガナイジングという活動が、どのような組織構造と運営形態を備えているのか、そしてコミュニティ・オーガナイザーはいかにして育成され、機能するのかを明らかにしている。政党や利益集団には含まれないNPO団体による組織化という「運動」は、決して自発的な市民参加を前提としておらず、むしろオーガナイザーを機能させることで民主的な「動員」を行っていることは、自発的な参加を市民に求めない新たなデモクラシー像を示すとともに、日本におけるコミュニティ・オーガナイジングの直輸入を部分的に修正する役割も果たす。
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