研究課題/領域番号 |
21K13254
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
溝口 聡 関西外国語大学, 外国語学部, 助教 (60781937)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 米国留学制度 / 親米派 / 沖縄占領 / 冷戦 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、戦後沖縄史を「親米派」に着目して再検討することにある。当初の計画では、冷戦期にアメリカが行った文化外交政策に関する二次文献の収集とアメリカ国立公文書館での米国留学制度に関する資料の調査・収集を予定していた。このうち、二次文献の収集に関しては、沖縄占領との比較の視点から、日本本土や南ベトナム、アフガニスタンなどの占領政策に関する文献を中心に収集した。他方、アメリカ国立公文書館での資料の調査・収集は、新型コロナウイルス感染拡大により、海外への渡航が困難となったため、実施できなかった。そのため、予定を変更し、次年度以降に予定していた国内での資料調査と収集を前倒しした。具体的には、沖縄県立公文書館や和歌山市民図書館移民資料室、国立国会図書館本館の憲政資料室において、USCAR資料、留学制度ならびに留学生の選考に関する資料、留学生の体験記や第三者による図書や雑誌論文などの収拾を行った。 本年度は、上記の国内での資料調査ならびに収集の成果の一部を、戦後日本プロジェクトの研究会での研究発表や関西アメリカ史研究会が刊行する「アメリカ史評論」に論文という形で、公表した。また、本年度の資料調査の成果は、上記の研究会で出版を進めている書籍にも反映される予定である。また、感染収束し次第、大学での夏季・冬季の長期休暇期間を利用して、アメリカ国立公文書館での資料の調査・収集を行い、次年度以降の研究成果発表に生かす予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、コロナ感染症の世界的流行により、アメリカでの資料調査と収集を行えなかった。そのため、国内での資料調査と収集を中心に行ったものの、研究に必要な資料が予定よりも集まらない状況となった。コロナ感染症の動向は依然として不透明ではあるが、次年度では、延期したアメリカ国立公文書館や予定しているアーカンソー州立大学での資料収集を行い、遅れを取り戻すことは可能と考えている。また、資料的制限はあるものの、調査結果の一部を研究会での報告や学術論文の形で公表できたことは、充実した点であった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は海外での渡航が可能となれば、延期したアメリカ国立公文書館や予定しているアーカンソー州立大学での資料収集を行う予定である。また、沖縄県立公文書館や和歌山市民図書館移民資料室、国立国会図書館本館の憲政資料室での調査も引き続き行い、学会発表や学術論文、書籍といった形で研究成果を公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は新型コロナ感染症の感染拡大により、予定していた海外への資料調査・収集が行えず、旅費は次年度の調査・収集にあてる予定である。
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